リニア中央新幹線

「国土のグランドデザイン2050」との関係

ちょっと面白いニュース記事があったのでメモしておく。リニア駅周辺に企業本社を 長野県が伊那谷自治体会議に提案(産経新聞中部版 2014年9月18日) 『国土交通省が7月に公表した「国土のグランドデザイン2050」の中で描くリニア中間駅を活用した新しいライフデザインのイメージ図を提示』 と書かれていたが、この事を知らなかったので国土交通省を確認してみた。
 リニア中央新幹線整備事業を地域振興に結び付ける施策を検討する「伊那谷自治体会議」が17日、県飯田合同庁舎(飯田市)と県庁をインターネット回線で結んで開かれた。県側は飯田市に建設される県内駅周辺に企業の本社機能を誘導して、豊かな自然環境と融合した新しい都市構想を描くことを提案し、了承された。
 今年度初めての会議は、飯田合庁側に飯田、伊那、駒ケ根の3市長と南信州と上伊那の広域連合長ら、県庁には阿部守一知事らが出席。リニア県内駅の地域振興策や交通アクセスなどをテーマに意見を交換した。
 この中で、県の原山隆一企画振興部長は、国土交通省が7月に公表した「国土のグランドデザイン2050」の中で描くリニア中間駅を活用した新しいライフデザインのイメージ図を提示。イメージ図では品川駅から約45分、名古屋駅から約27分で結ぶ県内駅は、南アルプス国立公園と近接しており、大企業の本社機能移転の可能性をもっていることから、自治体会議で具体化を検討していくことを提案した。
 同部によると、グランドデザインは2050年を見据えた国土づくりの理念を示したもの。自然公園に近接した欧米の大企業を例示して新しいライフデザインの実現を描いている。自治体会議では構想をまとめて、国交省が来年度、作成する国土形成計画の地方広域計画(首都圏、中部圏)に組み入れられることを目指す。
「国土のグランドデザイン2050」の公表について~対流促進型国土の形成に向けて~平成26年7月4日 だと分かった。最近はメディアも政府サイトも巡回していないので全く知らなかった。
「国土のグランドデザイン2050」参考資料[2] というPDFファイルで、84ページから87ページに書かれている「(3)スーパーメガリージョンと新たなリンクの形成」 がこれに該当するだろう。

なるほど、これは面白い。相模原には環境省、甲府には国土交通省、飯田には経済産業省、中津川には文部科学省など、中央官庁がそのまま移転して来ることも可能なのだ。リニアという地下鉄があれば彼等が霞ヶ関に居る必要も無い。スーパーメガリージョンの意義は官僚が実現させることで国民が理解できる。企業本社も官庁の後に続くだろう。
「スーパーメガリージョン」という言葉は7月18日の国土交通大臣意見書で初めて見たので変な単語だと記憶に残っていたが、「国土のグランドデザイン2050」で出ていたのだと分かった。相変わらずカタカナ用語が好きな人々だ。

リニア推進の地域行政はなぜ中央官庁の誘致をまず考えないのだろう?と今頃になって気が付いたのだが・・・・まずは山梨県から国土交通省に話してみたらどうだろう。きっと乗って来ると思う・・・南アルプス市があるほど美しい山々に囲まれた土地だ、グランドデザイン87ページに書かれている通り。彼等がそれは無理だというなら、その理由を確認して国民に知らせればよい。霞ヶ関WANとも接続しているLGWAN+リニアがあっても移転できないなんて、そりゃないだろう。

グランドデザイン2050
三大都市圏間移動の利便性がリニアの目的だという意味
グランドデザイン2050 中間地点にも知の集積を想定しているかも知れないが・・・地域の意欲に依存する
グランドデザイン2050
リニアだけでは役に立たないから地域交通網を充実しようというインフラ公共事業推進の発想
グランドデザイン2050
産経新聞が報じた長野県会議で使われたのはこの図だろう、山梨県でも使えるのだが、どの地域でも地域交通インフラの未整備という壁が立ちはだかる。ICT(情報技術)を活用できない場合は足が頼り。
タックス・ヘイブンという言葉がある。あえてカタカナ書きを使うが、国際企業(多国籍企業)について調べると出てくる言葉だ。安倍一族が法人税云々を言うなら、地方自治体に「タックス・ヘイブン」特区を設定させればよい。地方自治体が企業誘致を図るなら、この点も考慮していると思う。企業からの税収増加だけを期待しているのではなく、企業誘致を総合的な地域活性化の視座で考えているなら当然だと思う。
誘致した企業で生れた子供たちが地域で成人し、地域で活動してくれるようになる、それを成し遂げる社会的ソフトの充実は長いスパンを要し、形が見えるハード・インフラ作りの何倍も大変なことだ。自立した地域の底力とはそれができる能力を言う。
地域風土を考えてリニア批判は口にせず、そういう底力を毎日の仕事に活かしておられる地域政治家や公務員は多いと思う。だから自分は未だ山梨を諦めない。今後の地方選挙をラストチャンスと考えている。