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JR東海の住民説明会・長野県大鹿村の事例

2016年8月29日(月)付け文書を知りましたのでテキスト化して掲載します。
(HTML編集は引用者、Webには紙サイズのような制約が無いので、読み易さを優先して原本の改行などは編集してあります。)

JR東海の横暴な大鹿村道路工事説明会に抗議する声明

<住民締めだす説明会は無効>
 8月26日午後6時から長野県下伊那郡大鹿村釜沢で、JR東海による釜沢地区個別道路工事説明会が予定されていました。この説明会は、あらかじめ 「釜沢住民とその関係者が対象」 に行われるとして自治会に通知されていました。
 しかし、当日会場で事前に、大鹿村リニア対策委員のMさんが大鹿村リニア対策委員として説明会に参加したいと求めたところ、JR東海の社員は 「部外者」 だとして入場を拒否しました。
その理由についてJR東海社員は 「一定の線引きをしないと秩序が保てない」 と主張しました。Mさんは 「オブザーバーでもよい。意見表明もしないから参加させてほしい」 と譲ったにも関わらず、不当にも参加を認めませんでした。
もともとMさんは釜沢地区住民から参加を要請されていたもので、地区自治会長と副会長が再度参加を求めてもJR東海はMさんの参加を頑なに拒否しました。
そして、JR東海の現地社員が 「今回の説明会は住民の要望よりJR東海の意向が優先される」 と趣旨を説明したため、自治会長と副会長は 「このような一方的な説明会は認めることができない」 として退席する事態となりました。
 住民説明会は、住民のために開くものであって、JR東海のために開くものではありませんから、JR東海の意向が優先されることなどあってはならないはずです。

<住民の理解と信頼を失う>
 これまでJR東海が釜沢住民に求めてきた意見交換の場(説明会や懇談も含む)は、 「住民との信頼関係を築き、協力体制を整えるため」 という目的でJR東海から提起されていたものです。
しかし今回の不当な事業説明会により結果的に住民の理解を得られないばかりか、JR東海に対する不信感を募らせる結果になりました。
大鹿村は釜沢地区のみならず、全村住民がリニア新幹線の架橋や非常口工事、残土処理施設の設置、膨大な工事車両の走行などで深刻な影響を受けることになります。それ故、どの地区で説明会を開こうと、全ての村民が参加できることが前提です。
国交省も環境省も 「事業の実現には住民の理解が前提」 との立場を明らかにし、JR東海に対してもそのための努力を求めています。
リニア新幹線について、これまでの環境影響評価手続きの過程で品川~名古屋沿線で多くの住民説明会が開かれましたが参加者のほとんどが疑問や不安を示し、計画の見直しを求めました。
メディアも性急な工事は将来に禍根や負の遺産を遺すとして、沿線住民のみならず国民的な理解を優先するよう報道しています。
まだ工事説明会を開くような段階ではないことは明らかです。
 リニア新幹線計画の沿線住民でつくる私たちリニア新幹線沿線住民ネットワークは、今回の大鹿村でのJR東海の住民の気持ちを踏みにじる、横暴で一方的な振る舞いに強く抗議するとともに、住民の多くを排除するような説明会の開催を強行しないよう求めます。

 2016年8月29日
リニア新幹線沿線住民ネットワーク
共同代表 天野捷一、川村晃生、片桐晴夫、原 重雄
「釜沢」は「かまっさわ」と読むようです・・・「びっくり!釜沢の道路説明会の現場」(2016年8月26日)
「釜沢住民とその関係者が対象」・・・「関係者」=「地権者」(↑JR東海用語)
「大鹿村リニア対策委員」・・・大鹿村からの情報発信は リニア新幹線情報 にまとめられています。
リニア中央新幹線情報No.11 『リニア工事着工前の村内調査の状況と、大鹿村リニア対策委員会(第1回、第2回)の内容をお知らせします。』 アップロードされたPDFファイルから対策委員会構成も分かります。

環境大臣意見・・・『なお、言うまでも無く、本事業は関係する地方公共団体及び住民の理解なしに実施することは不可能である。このため、事業の円滑な実施及び供用に向け、本事業の今後の検討及び実施に当たっては、関係する地方公共団体の意見を十分に勘案し、環境影響評価において重要な住民関与についても十全を期すことが必要である。』2014年6月5日環境省広報

国土交通大臣意見・・・『また、引き続き、事業説明会や工事説明会等の場を活用し、地域住民等に対し丁寧に説明すること。』2014年7月18日国土交通省広報

信濃毎日新聞が2016年8月30日記事でこの件を報じました 「住民理解」への協議揺らぐ 大鹿村釜沢のリニア関連説明会
『JR東海広報部は「より地域に密着したきめ細かな説明をし、ご意見を頂くことで工事への理解を深めてもらうのが工事説明会の目的。そのため、地元住民とその関係者の方々に限定するのが基本的な考え方」と説明。地元住民以外の参加は事前に連絡があれば対応するが、参加の可否は同社が判断するとしている。』 とのことです。
「リニア新幹線沿線住民ネットワーク」は29日、同社の対応に抗議する声明文を発表。同社宛てに郵送する。と記事の最後に記載されていました。
原本画像、クリックで開閉します

◇ 2015.05.18 中央新幹線長野工事事務所 大鹿分室の開設について(JR東海ニュースリリース PDFファイル)
長野県大鹿村では南アルプス・トンネル(長野工区)工事以外にトンネル工事の発生土運搬に利用する道路(県道)の拡幅やトンネル新設などの工事計画が長野県庁と調整しながら行なわれています。今回の事案はその過程で生じた問題です。
大鹿村やその周辺自治体の状況については引き続き整理していく予定です。