リニア中央新幹線

長野県大鹿村と東海旅客鉄道株式会社(JR東海)は、リニア中央新幹線南アルプストンネル(長野工区)新設工事の開始に伴う工事用車両の通行に関係する事項に関して確認書を2016年10月19日付けで締結しました。
大鹿村サイトで リニア新幹線情報 に「リニア南アルプストンネル 工事用車両通行等に関する確認書の締結について」として広報されています。
以下は公開されたPDFファイルからWebページとして編集したものです。

工事用車両通行等に関する確認書

大鹿村(以下「甲」という)と東海旅客鉄道株式会社中央新幹線建設部長野工事事務所(以下 「乙」という)は、乙が実施する中央新幹線南アルプストンネル(長野工区)新設工事(以下「工事」という。)の開始に伴う工事用車両の通行に関係する事項に関して次のとおり確認する。

(目的)
第1条 乙の工事に伴う工事用車両の通行により、大鹿村内における交通量が増加することに伴い、一般車両への影響及び村内環境に及ぼす影響を低減するため、工事用車両通行に関する確認を行う。

(通行ルート)
第2条 大鹿村内の工事用車両通行ルートは、主要地方道松川インター大鹿線、主要地方道松川大鹿線、一般国道152号、一般県道赤石岳公園線、村道沢戸河原線、村道上蔵河原線、村道赤石線とする。(別紙1)
2 乙は大河原中心部を迂回するルートを小渋川左岸に設置し(以下「左岸ルートJという。)、 工事用車両通行による影響を低減するものとする。ただし、左岸ルートが通行開始されるまでは、一般国道152号を利用するものとする。
3 乙は左岸ルートに必要な仮設桟橋を設置するものとし、ルート上の用地に関しては甲が主体となり地主からの承諾を得るものとする。
4 乙は左岸ルートが通行可能となった後は、左岸ルートを通行するものとする。
5 乙は主要地方道松川インター大鹿線の改良工事が終了した後に発生土の村外搬出を行うものとする。ただし、関係者との協議により主要地方道松川インター大鹿線内への発生土搬出が可能となった場合はこの限りではない。
6 乙は主要地方道松川インター大鹿線の改良工事終了後、工事用車両通行による渋滞等の支障が生じた場合は、道路管理者と協議の上、速やかに対応するものとする。
7 甲及び乙は福徳寺を迁回する工事用道路について、工事用車両の通行が終了した後、県道として供用できるよう相互に協力するものとする。

(安全対策)
第3条 乙は一般車両と工事用車両の通行に支障が出ないように必要な箇所を拡幅するものとする。また、甲はその手続きに協力するものとする。
2 乙は必要な箇所に交通誘導員を配置するものとする。
3 乙は左岸ルートが通行開始されるまでの間、国道152号に近接する保育所、福祉施設、小学校付近での通行に関し、交通誘導員の配置、通行速度の減速など十分な安全対策を行うものとする。特に通学時間帯での車両台数の低減に努めるものとする。
4 乙はやむを得ない場合を除き、通行ルートにおける道路の全面通行止めを行わないものとする。やむを得ず全面通行止めする場合は、範囲及び期間を最小限度とし、起点終点には看板を設置し、同報無線放送又は回覧などにより住民に周知徹底を図るとともに、緊急車両等の通行に関しては十分配慮するものとする。
5 乙は安全対策のため、工事用車両の通行に伴い必要と思われる箇所にはカーブミラーを設置する。なお、設置個所については、甲乙及び道路管理者と協議するものとする。
6 乙は一般車両の通行を優先し、一般車両に不便をかけないよう努めるものとする。
7 乙は交通亊故の防止及び通行人や一般車両の安全で円滑な交通の確保に努めるものとする。

(車両通行時間)
第4条 工事用車両の現地での通行時間は、資機材の運搬は午前7時30分から午後7時まで、発生土の運搬は午前8時から午後6時までを基本とする。
2 法令の定めにより通行時間帯が制限される特殊車両の通行に際しては、事前に甲及び道路管理に連絡し、住民への周知を図るものとする。
3 工事用車両は日曜日、その他長期休暇期間(年末年始等で事前に告知する日)は通行しないことを基本とする。日曜日及びその他長期休暇期間において工事用車両が通行する場合、乙は事前に甲に連絡し、住民への周知を図るものとする。
4 村の行事等により村内の道路に通行支障等を生じることが予め予想される場合は、甲乙協議の上、乙は工事用車両の通行について配慮するものとする。
5 発生土運搬に係る作業員の通勤は出来る限り乗用車等による乗り合いとし、発生土運搬車両についても可能な限り大鹿村内に駐車するよう努めるものとする。

(通行ルートの大気質・騒音・振動対策等)
第5条 乙は村内の環境を保全するために、工事期間中の必要と思われる期間、大気質・騒音・振動の測定を行い、環境基準の適合性を調査する。また、その内容を住民に公表するものとする。
2 乙は大鹿村役場交差点付近・保育所前・小学校付近において測定を行うものとする。大鹿村役場交差点付近は、大気質・騒音・振動の測定を、保育所前においては左岸ルートが通行開始されるまでの間、大気質・騒音・振動の測定を、左岸ルート完了後は小学校付近において大気質・騒音の測定を行うものとする。ただし、甲乙協議により、測定の必要が無くなったと判断された場合、終了するものとする。
3 測定頻度は年2回を基本とする。
4 乙は発生土等の運搬に必要な車両の選定にあたっては、排出基準適合車を採用し大気質への影響を低減するとともに、騒音・振動・粉じん等を抑えるよう、工事用車両のタイヤの洗净、通行速度の遵守など、運用面における環境保全に努めるものとする。

(通行ルートの清掃及び損傷修繕復旧)
第6条 乙は随時路面清掃車などにより通行ルートの清掃を行い、土砂・粉じん等の飛散を防止に努めるものとする。
2 乙の工事に起因して道路施設を損壊等した場合は、道路管理者に報告の上、乙の負担で補修等を行うものとする。

(発生土の村内有効利用)
第7条 甲は発生土運搬車両の台数を低減させるため、村内において発生土の有効利用をはかるよう努めるものとする。
2 甲は村内に予定している大西総合グラウンド、ろくべん館前の造成に発生土を活用するため、造成方法等について乙と協議するものとする。
3 甲は深ケ沢地区の村有地を発生土利用候補地とするよう努めるものとする。

(工事影響の低減対策)
第8条 甲及び乙は第三者からの工事用車両通行や工事の影響についての苦情等に対応する窓口を設ける。
2 甲及び乙は苦情等を解決するため、追加の環境保全措置をとるなど相互に協力するものとする。また、乙は工事に起因して損失が発生じた場合は国の基準等に基づき補償する。
3 甲は工事における住民や関係者の不安や影響を低減するため、「大鹿村リニア連絡協議会(仮称)」(以下「協讓会」という。)を設置し、乙は甲が組織する協議会に参加し連絡調整を行うものとする。

(道路管理者との協議)
第9条 本確認書の実施にあたり必要な道路管理者との協議は乙が行い、甲は協力するものとする。

(工事施工業者等への通知)
第10条 乙はこの確認書の内容を乙の工事施工業者等に通知し、遵守させるものとする。

(有効期間)
第11条 この確認書は確認書交換の日から平成38年11月30日までの期間、効力を有するものとする。

(公開)
第12条 甲及び乙は確認書を第三者に公開する必要が生じた場合は対応を協議するものとする。

(その他)
第13条 甲及び乙は、大鹿村村內において乙の中央新幹線南アルプストンネル(長野工区)新設工事以外の工事が開始される場合は、この確認書の内容について見直しを行うものとする。

第14条 この確認書に定めのない事項又は疑義を生じた場合は、甲、乙協議して処理するものとする。

本確認書を証するため、本書を2通作成し、各々が署名捺印のうえ各自1通を保有する。

平成28年10月19日
甲  長野県大鹿村          
     大鹿村長 柳島 貞康 (印)
 
 
乙  東海旅客鉄道株式会社      
    中央新幹線推進本部      
     中央新幹線建設部名古屋建設部
      部長  松野 篤二 (印)
別紙1
この確認書には汚染土が出てきた時の対策については決められていません。
山梨県早川町の南アルプストンネル工事(山梨工区)では、汚染土対策に雨畑仮置き場が設定されました。
中部横断自動車道の工事では汚染土問題が伝えられています。この件を含めて別記事で整理する予定です。