環境影響評価準備書 説明会 静岡県
リニア準備書 工事影響評価「不十分」 学術委 (10/16 07:53)
静岡市南アルプス世界自然遺産登録学術検討委員会(委員長・佐藤博明元静岡大学長)が15日、市役所静岡庁舎で開かれ、JR東海が公表したリニア中央新幹線の環境影響評価準備書について協議した。委員からは南アの水脈や動植物への影響に関し、「説明が不十分」など厳しい意見が相次いだ。
JRが準備書を公開後、大学教授らが公開の場で意見交換するのは初めて。多くの委員が、準備書で示した環境影響の想定範囲に疑問を呈した。
高山植物が専門の増沢武弘静岡大特任教授は「南ア全体の水の動きや上流のことを考えていない」と指摘。ユネスコエコパークで最重要保護地域となる「核心地域」の氷河地形にトンネル工事が影響すると懸念を示した。
静岡淡水魚研究会の板井隆彦会長も水質について「法令に基づく排水基準で処理するから影響が小さいと言うが、同様の基準を大井川上流に当てはめていいのか」と話した。
「南アの隆起予測は正確なデータが欠けている」「エコパーク登録後、工事が登山者に影響する可能性もある」などの意見も出た。
佐藤委員長は「エコパーク登録の阻害要因が本当にないのか、納得できる説明を求めたい」と話した。市は山梨、長野両県の学術検討委と意見を擦り合わせた上で、JR東海に意見を提出する方針。
◇静岡市南アルプス世界自然遺産登録学術検討委員会の主な意見
・生態系は有機的に関連し、一部の改変は他の環境要素にも影響する可能性がある。生態系という観点で納得いく保全措置は準備書に見られない。(佐藤博明委員長)
・地殻変動や自然に関する認識が甘いと感じる。発生土置き場では土石流発生の懸念もある。(狩野謙一・静岡大教授)
・あくまで事業者側の見解で、調査方法の明記が乏しい。発生土置き場での詳しい状況を具体的に示してほしい。(三宅隆・県自然史博物館ネットワーク副理事長)
・工事が始まれば輸送道路の問題が大きい。具体的な工事内容が知りたい。補償ではなく、事業による長所がどの程度あるのかも示すべき。(長島吉治・井川山岳会会長)
静岡県内の説明会日程 2013年
回 | 月日 | 開始 | 場所 | 住所 |
回 | 月日 | 開始 | 場所 | 住所 |
1 |
10月 5日(土) |
15:00 |
静岡市井川生涯学習交流館多目的ホール |
静岡市葵区井川656番地の2 質疑応答 |
関連施設が集中する南アの二軒小屋付近では、ピーク時にはトラックなど1日約480台の工事用車両が入る見通しであると明らかにした。現在の1日の通行車両は25台程度という。工事用車両の往来のピークは建設開始から7年後を想定した。
周辺に複数の残土処分地を置く椹島では2年後に最大約330台、現場に近い集落となる井川地区では8年後に約220台の工事用車両が1日に行き交うと試算した。
二軒小屋付近では、トンネル本坑の掘削残土を排出するための2本の斜坑(営業開始後は非常口として活用)を掘り、作業員宿舎などが設置される。
7カ所を計画した残土処分地は、今後の設計の中で具体的な置き方などを検討すると説明した。工事で主に利用する林道東俣線は最低限の補強や舗装で環境に配慮するとした。
(参加 **人 静岡新聞 10月6日)
住民からは、トンネルなどの工事車両の増加を懸念する声が相次いだ。
同社幹部は「井川地区では工事開始8年後に最大216台工事車両が増える」との試算を明らかにした上で、カーブミラーを増やしたり、工事車両と住民の車が行き違いできるように道路を拡幅するなどの対策を示した。
また、「1県1駅という話があったが、静岡には駅ができない。トンネルが静岡を通過するなら地下に駅はできないか」など、駅が新設されないことへの不満も。
JR東海は県内の工事による残土が360万立方メートル出るとの試算を示しており、参加者からは「残土は雨が降って沢に流れ出したりしないのか」など環境悪化を懸念する声が出た。これに対し、同社幹部は「残土置き場の勾配を緩くしたり、緑化することを考えている」と答えていた。
(産経新聞 10月6日)
今日、というか、いま、静岡市役所井川支所でリニアの説明会にいってきました。
(井川スポーツカルチャークラブのブログ 10月5日)(前日の記事を合わせ読むと、リニアに夢を抱いておられる様子)
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2 |
10月 9日(水) |
18:30 |
静岡県男女共同参画センター (あざれあ)六階大ホール |
静岡市駿河区馬渕1丁目17番地1号 総括記事 |
リニア中央新幹線:「大型車の通行不安」 県内工事で住民説明会 /静岡
住民から質問が相次ぎ、同社は予定時間を延長して対応した。静岡市街地と井川を結ぶ県道をよく使うという男性は「1日200台の工事車両が増える予想だが、あの狭い道を大型車が頻繁に通るのは高齢者にとって不安だ」と質問。同社側は「ミラーなどの道路設備を充実させ、必要に応じて誘導員を置く。移動の時間帯にも配慮する」と理解を求めた。
(毎日新聞静岡版 10月10日)
「リニア工事 環境影響は アセス説明会終了」
質疑応答で出席者は「狭い道で多くの大型工事車両とすれ違うとなると安全走行できるのか不安だ」と主張したが、道路の拡幅工事についてJR側は「今のところ拡幅までは不要と考える」と答えた。
トンネル掘削工事で生じる建設汚泥についての質問もあり、JR側は「二十二万立方メートルの汚泥が出るが、現場付近から持ち出し、業者に運搬して適切に処理する」と説明。リニアの消費電力や工期の質問には「新幹線との比較でおおむね三倍程度」「十年強と見込んでいる」と回答した。
JRは自然保護が必要なエコパークの「核心地域」でなく、地域の社会発展・経済活動が可能な「移行地域」で処理すると説明するが、環境保全につながるかは不透明だ。
JRは、工事車両の通行量は増えるが、騒音や振動は環境基準を下回ると説明。水質悪化や河川流量、魚の減少を心配する漁協関係者には「事後調査で減っていれば補償する」と述べた。
◆専門家「災害や地形 認識甘い」
(参加 139人 中日新聞静岡版 10月10日)
「地域振興はゼロ回答 リニア新幹線アセス説明会終了」
大型事業を機に地元が抱く地域振興への期待にJR側は事実上の“ゼロ回答”。説明会がわずか2回で終わったこともあり、完全な相互理解には至っていない。
リニア中央新幹線整備計画による地域振興への波及効果が見通せない中、静岡市議会には「地元に資する事業でなければ意味がない。JR東海に、もっと意見を主張していくべきだ」との声が出始めた。
南ア周辺地域では道路などインフラ整備進展への期待と工事車両の往来増加への懸念が交錯する。説明会に出席した市環境総務課の担当者は「JRの回答も慎重に見極めながら、市長意見を形成していく」と話した。
(静岡新聞 10月11日)
「自然遺産登録、静岡市長「難しい」 リニア計画影響懸念」
田辺信宏静岡市長は11日の定例記者会見で、JR東海のリニア中央新幹線計画が南アルプスの自然環境に与える影響について問われ、世界自然遺産の登録実現は厳しくなるとの見方を示した。
市長は「自然遺産の保全のハードルは高く、いくら影響がないとJRがおっしゃってもなかなか難しい」と述べ、ユネスコエコパークの登録という観点で生態系への影響を注視していく。エコパークの「人間と自然の共存」という理念を挙げ、「リニア計画を観光振興に結び付けるため、JR東海に協力を求めることも将来的には必要」との認識を示した。
(静岡新聞 10月12日)
遅くなりましたが、先日9日、静岡市で開かれた説明会に行ってまいりました。妙なテープが45分間流され、30分+延長30分の質疑応答がありました。でもまあ、特に目新しいことはありませんでした。これで報告終わり。
(準備書の見方 読み方 10月16日)
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