リニア中央新幹線の開業は、東京・名古屋・大阪を結ぶ大動脈として、三大都市圏のみならず、沿線地域の経済・文化・観光など、多様な分野において飛躍的な発展をもたらすものと期待されております。
本市におきましても、こうしたリニア開業の効果を千載一遇のチャンスと捉え、定住人口の確保や観光客をはじめとした交流人口の増加、企業立地による雇用の確保など、総合的な施策形成を図る必要があります。
当委員会は、このたび策定する甲府市リニア活用基本構想が、甲府市の活性化に繋がるものとなるよう協議・検討を重ね、提言書として取りまとめました。
市長におかれましては、提言の趣旨を十分ご理解いただき、リニア活用基本構想を策定するとともに、その施策を積極的かつ効果的に推進されるようお願いいたします。
① 山梨県が行ったアンケート調査によると、首都圏や中京圏の住民に、山梨への移住関心が高いという結果が得られた。本市においては、人口減少対策を市政の最重要課題と位置付けていることから、甲府に住みたいと思えるような施策や制度を構築するとともに、大都市圏への通勤が可能になることも発信しながら、他県からの移住促進に努めることが重要である。
② 人口増加のためには、雇用機会の創出が必要であるので、新たな企業の進出を促す優遇制度などを検討し、企業誘致に取組むことが重要である。
③ リニア開業の効果を本市全体の活性化に繋げるためには、リニア駅から、中心市街地や甲府駅へと人を導くことが重要であるので、公共交通を軸としたアクセスを検討することが必要である。
④ 市民の利便性向上のため、リニア駅へのアクセスを考え、行き易く使い易くすることが重要である。
⑤ リニア駅と富士山など県内観光地とのアクセス向上についても、検討することが必要である。
⑥ 本市には、昇仙峡や武田氏館跡など魅力ある観光資源が多数あるので、甲府らしさの位置付けや、ここにある地域資源を磨き上げることが重要である。
⑦ 外国人観光客は、日本の歴史文化に強い関心を示していることから、いかにして甲府の歴史文化の魅力をアピールしていくか検討することが重要である。
⑧ これからは、公共交通機関とリンクした土地利用のあり方を検討することが重要であるとともに、中心市街地とリニア駅周辺の双方が発展できるように、バランスのあるまちづくりを進める必要がある。なお、中心市街地にある空き家の活用策も検討することが望ましい。
⑨ 本市は、都市部と農村部から構成されている都市であることから、双方の魅力を生かしながら、まちづくりを進めることが必要であるため、農地を守るゾーンと住宅地として定住者を呼び込むゾーンを分けて検討することが重要である。
⑩ 市有施設の見直しを行い、リニア開業に向けて新たな魅力を創出し、交流人口・定住人口を増やす拠点とするなど、新たな活用策を検討することが必要である。
⑪ 情報の多言語化やユニバーサルデザインによる案内など、インバウンド観光や国際交流に配慮することが必要である。
⑫ 地域で、自立・分散した自然エネルギーシステムの構築に、努める必要がある。
⑬ リニア駅周辺地域は、冠水の多発地帯であることから、水害や地震な どの災害を想定し、対策を進めながら活用策を検討することが重要で ある。
⑭ リニア開業により、観光客をはじめとした交流人口の増加が想定されることから、駅周辺には防犯施設も検討することが必要である。
委 員 長 丸山 正次(山梨学院大学教授) 副委員長 大山 勲(山梨大学大学院教授) 委 員 佐々木邦明(山梨大学教授) 石橋 秀樹(甲府商工会議所常議員) 清水 孝章(甲府青年会議所副理事長 ) 長坂 善雄(甲府商店街連盟会長) 饗場 紀典(甲府市工業協会会長) 大木 政(甲府市観光協会会長) 西名 武洋(甲府市農業委員会会長) 中澤 晴親(日本労働組合総連合会山梨県連合会会長) 佐藤 健(甲府市社会福祉協議会会長) 石原 初江(甲府市小中学校PTA連合会会長) 牛奥 久代(甲府市女性団体連絡協議会会長) 雨宮 健一(山梨県建築士会会長) 佐藤 一男(甲府市自治会連合会会長) 輿石 修(大里地区自治会連合会会長) 菊嶋 隆俊(西下条リニア中央新幹線等対策協議会会長) 土屋 章(大津町地区開発対策協議会会長 ) 河西 宏海(高室町街作り協議会会長) 金丸 三郎(甲府市議会リニア調査研究会会長) 長沼 達彦(甲府市議会リニア調査研究会副会長)
甲府市リニア活用策検討委員会設置要綱
(設置)
第1 リニア中央新幹線(以下「リニア」という 。)の開業がもたらす効果を最大限に享受し、「国際交流都市甲府」の実現を図るなど、地域の魅力を高め本市全体を活性化させるための方策を示す基本構想を策定するにあたり、各方面から幅広く意見を聴きながら検討を行うことを目的に、「甲府市リニア活用策検討委員会」(以下「委員会」という。)を設置する。
(所掌事項)
第2 委員会は、次に掲げる事項について検討する。
[1] リニアを活用した活性化方策に関すること。
[2] リニアを活用した地域の魅力向上に関すること。
[3] その他目的達成のために必要な事項に関すること。
(組織)
第3 委員会は、委員21名以内をもって組織する。
2 委員会は、次に掲げる者のうちから市長が委嘱する。
[1] 学識経験者
[2] 各種関係団体を代表する者
[3] その他市長が必要と認める者
3 委員会は、個別の重要課題について専門的に検討するために部会を設置することができる。
(任期)
第4 委員の任期は2年以内とする。ただし、再選を妨げないものとする。
2 委員が欠けた場合における補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。
(会長等)
第5 委員会に委員長1名及び副委員長1名を置く。
2 委員長及び副委員長は、委員の互選によって選出する。
3 委員長は、会務を総理し、委員会を代表する。
4 副委員長は委員長を補佐し、委員長に事故があるとき又は欠けたときは、その職務を代理する。
(会議)
第6 委員会は、委員長が招集し、その議長となる。
2 委員長は、必要があるときは、委員以外の者の出席を求め、説明又は意見を聴くことができる。
(庶務)
第7 委員会の庶務は、企画部リニア交通室リニア政策課が処理する。
(委任)
第8 この要綱に定めるもののほか、委員会に関し必要な事項は、委員長が委員会に諮って定める。
附則
1 この要綱は、平成27_2015年11月2日から施行する。
2 この要綱の施行に伴い、甲府市リニア活用推進懇話会設置要綱(平成24_2012年5月企第1号)は廃止する。
① 平成27年度第1回会議〔平成27_2015年11月26日(木) 開催〕
出席委員:18名
(1) リニア駅周辺整備のこれまでの検討状況について
(2) (仮称)甲府市リニア活用基本構想の策定に向けた検討とスケジュールについて
資料
・リニア駅周辺整備に係る検討内容
・甲府市リニア活用推進懇話会及びリニア活用策地域部会の主要意見
・(仮称)甲府市リニア活用基本構想の策定に関する方針
② 平成27年度第2回会議〔平成28_2016年1月26日(火) 開催〕
出席委員:20名
(1) まちづくりの課題の把握と今後の方向性について
資料
・(仮称)甲府市リニア活用基本構想に関する意向調査結果(速報)
・リニア活用策検討地域部会ワークショップ検討内容
・庁内のリニア開業の効果・影響・対応策などに関する調査結果
③ 平成27年度第3回会議〔平成28_2016年2月24日(水) 開催〕
出席委員:18名
(1)(仮称)甲府市リニア活用基本構想の主な検討ポイントについて
資料
・(仮称)甲府市リニア活用基本構想に関する意向調査 集計結果
・(仮称)甲府市リニア活用基本構想の主な検討ポイント
④ 平成28年度第1回会議〔平成28_2016年6月2日(木) 開催〕
出席委員:15名
(1) リニア駅周辺のまちづくりについて
資料
・リニア活用策検討地域部会での意見
・新駅周辺開発状況事例整理
・リニア環境未来都市の検討状況
・首都圏広域地方計画での位置付け
⑤ 平成28年度第2回会議〔平成28_2016年8月31日(水) 開催〕
出席委員:17名
(1) (仮称)甲府市リニア活用基本構想に関する提言について
資料
・甲府市リニア活用基本構想への提言(素案)