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和戸町竜王線の整備計画と連雀問屋街

2009.03.09 : 平成21年3月定例会

甲府市議会2009年3月定例会の広報ページで『和戸町竜王線「中央4丁目工区」の街路整備と連雀問屋街のまちづくりについて』と質問通告されていたので議事録を確認しました。

このページに掲載のテキストは甲府市議会議事録によります。
甲府市野中一二議員のホームページに甲府市 都市計画道路整備プログラム(道路整備プログラムについて 2008年11月)が掲載されています。このページには桜井正富議員の質問で言及されている整備順位と計画道路について詳しい説明があります。
平成16年10月決定の整備計画及びその資料として整備優先度の高い区間(2004年計画地図)があります。

◯桜井正富君

 次に、都市計画道路、和戸町竜王線の整備計画についてお伺いをいたします。

 昨年(2008年)11月に整備優先度を評価した上で、6路線7工区については和戸町竜王線をまず最初に着手する。他の路線は順次追っていくと説明を受けました。6路線7工区、全路線が完成するのは、この整備計画で行くと、約30年以上はかかることになるのではないかなと感じます。現在の市の財政状況や将来負担を勘案いたしますと、現時点では妥当かなと、こんなふうには思っております。

 ただ、一方、和戸町竜王線に交差する住吉四丁目善光寺線、いわゆる善光寺工区と言われているところですが、その未整備区間であるとか、あるいは上阿原町寿町線、朝夕の通勤時間にはもう大渋滞が発生して、なお、小中高大学の生徒の通学路にもなっているという状況から、歩行者にも大変危険な状況にあるわけです。この路線は今回、整備優先道路6路線7工区の中においては四番目に位置づけられており、他の路線工区の整備状況、進捗状況を見ながら着手されていくとされております。住吉四丁目善光寺線の着工は、関係する東部地域の人々にとっては大変長い間期待をしていたので、まことに厳しい評価だと、このように地域ではとらえているわけであります。

 優先順位一位と位置づけられた和戸町竜王線、新しく取り組もうとする中央城東工区は市の施行として、東方面から城東工区、中央五丁目工区、中央四丁目工区と三つの工区に分けて、区割りをして進められるとのことであります。

 最初に着手する工区は、中心市街地に位置する西側の中央四丁目工区からとのことであるわけですが、現在工事が進んでいる延長線の城東工区から整備をすることによって、東部方面の交通の渋滞は分散されることにより、緩和されます。それでまた、中心部に近くなっていくわけですから、近くなることで、歩いて中心市街地に行けることにもなるわけです。

 そのように考えますと、なぜ西側の中央四丁目工区から整備するのか。こうした内容が東部の期待をしていた、長く待っている皆様方にとっては理解がされておらないわけなんですね。そういうような関係から、きょう、この議会を通して、なぜ西側からしなきゃならないのか。このいわゆる理由を、わけを市民の皆さんにわかりやすく説明をしていただいて、御理解をいただきたい。こんなふうに考えて、きょうは質問させていただいております。どうかよろしくお願いをいたします。

◯都市建設部長(幡野治通君) 都市計画道路、和戸町竜王線の整備計画についてお答えをいたします。

 都市計画道路、和戸町竜王線につきましては、山梨県が実施したパーソントリップ調査の解析結果をもとに、国や県のまちづくり方針及び本市の将来都市像を踏まえ、都市計画道路整備優先路線の中で最優先に整備する路線として決定したところであります。本路線は、現在、山梨県が整備を進めております都市計画道路、古府中環状浅原橋線の整備と一体的に整備をしていくことが、効率的かつ効果的であり、また、関係地権者への影響も軽減できるものと考えております。

 一方、東側の城東工区におきましては、現在、山梨県において濁川の整備方針等の検討をしており、この事業に合わせて道路整備を行うことが効率的でありますので、事業着手までにはしばらく時間を要するものと思われます。

 したがいまして、これらの理由により、和戸町竜王線の整備につきましては、西側の中央四丁目工区より行ってまいります。なお、本路線は中央城東工区全体がつながることで整備効果が発揮されることから、地域の皆様の御協力をいただく中で、できるだけ早期に整備を完了してまいります。

 以上でございます。
◯桜井正富君 今の説明で、東部地域の方もわかっていただいたのかなと、こんなふうに感じるわけですが、いずれにいたしましても、一部的な整備計画ではなくて、県・市一体となっての計画の中で、こういう形で進められていると、こんなふうに私は理解をしてまいりたいと思っております。

 この和戸町竜王線のこの整備計画はもう平成2年から、和戸町から始まっているんですね。もう20数年かけて、東から進んでいる。また、あと5年ほどたちますと、旧厚生年金会館、また前へ進んで来るわけですね。そうした延長上にあればいいなと思っておりましたけれども、今の説明で、この整備状況を見ながら、また城東工区に着手するということだと思いますので、できるだけ、ひとつ頑張っていただいて、早い時点でこの着工を城東工区の方からできるような、最善の策をとっていっていただきたい、このようにお願いをいたします。

 ただし一点だけ、今の御答弁の中に濁川に関する、ちょっと話が出ておりまして、整備事業とあわせていくので、まだそこの部分は無理なんだというようなお話が出ておりましたが、過日、「濁川の川づくり 現在・過去・未来」のシンポジウムの席がございまして、宇野副市長さんが講師として、また、パネリストとしても、出席されておりましたけれども、このときに県の説明の中に、今後の濁川の洪水対策として、これから進める和戸町竜王線の街路整備とあわせてバイパス水路、いわゆる暗渠でこれを進めていく。ただし、これは決定ではありませんと、現在、計画を考えていますと、こういうふうに説明をされたわけですが、暗渠ということになりますと、道路の下をこういうふうに掘っていけばいいと。バイパスということになりますと、濁川というのは南へぐるっと城東から回って、相生を抜けてきて戻ってきているんですね。それをバイパスでつなぎましょう、ということですから、私は大変すばらしい計画だなと思っているわけです。

 ただ、この整備計画と濁川の改修と、この道路と川の問題、これはもっともっと詰めていくと、非常に問題じゃないかなと私は思うんですね。ですから、今回は西側からということですから、もう先を見越して工事が着工できるように、今から県と折衝していただいて、バイパスですか、暗渠を、これを実現できるような、「まだ計画中」ではなくて、「やっていきましょう」というような、ひとつ煮詰めをぜひやっていただきたい、こんなふうに思っております。

 この点について何か具体的なものがありましたら、お聞かせ願いたいと思いますが、よろしいでしょうか。

◯都市建設部長(幡野治通君) 和戸町竜王線の道路整備と濁川の整備との関連についてお答えをいたします。

 和戸町竜王線城東工区の整備と関連性のあります濁川の整備につきましては、現在、山梨県が整備方針の手法を含めた整備計画を検討中でございます。本路線と濁川の整備との整合性が図られるよう、県と協議を進めているところでもございます。今後は、濁川の整備計画に合わせて地域の皆様と整備方法等について検討を行ってまいります。

 以上でございます。
◯ 桜井正富君 ぜひ、ひとつ、この和戸町竜王線というのは、まず一番目に進められる道路でありますから、速やかに開通して、皆さんが、生活の中で中心部との連携を取りながら活用できるように、早い時点で着工でき、また、完成するよう、ひとつ期待をしてまいりたいと、こんなふうに思います。ありがとうございました。

 次に移らせていただきます。

 やはり関連をいたしまして、和戸町竜王線中央四丁目工区の街路整備と連雀問屋街のまちづくりについてお伺いをいたします。

 和戸町竜王線の中央四丁目工区は、当局の計画では22メートルの幅員で街路整備のみで進められるとしておりますが、この道路の北側に中心市街地活性化基本計画のエリア内でもあります、歴史と伝統を持ち合わせた連雀問屋街がまちを形成されております。和戸町竜王線中央四丁目工区が完成いたしますと、連雀通りは裏通りとなってしまう、そうした形になります。先々、連雀問屋街としてのまちが衰退してしまうのではないかと危惧をいたしているところであります。基本計画にも位置づけられている、歴史のある連雀問屋街の発展を考えるならば、この地域を街路整備のみで進めてよいものでしょうか。裏通りになってしまう連雀問屋街、この歴史ある問屋街の再生、活性化を、街路整備とあわせて考えるべきではないかと思います。道路整備とあわせて、再び、にぎわいと活力に満ちあふれたまちづくりを、問屋街の皆様方と知恵を絞り、協働して調査研究し、勉強会を立ち上げ、まちづくりを推進することが肝要であると思いますが、当局の御所見をお伺いいたします。

◯都市建設部長(幡野治通君) 都市計画道路、和戸町竜王線中央四丁目工区の街路整備と連雀問屋街のまちづくりについてお答えをいたします。

 都市計画道路、和戸町竜王線の中央四丁目工区につきましては、現在、山梨県が整備を進めております都市計画道路、古府中環状浅原橋線と一体的に整備することで、中心市街地の交通の円滑化や快適な歩行者ネットワークの形成などが図られ、整備効果の高い工区であると認識しております。

 本工区におきましては、現在、道路整備に向けての説明会や今後のまちづくりに関し、まちづくり研究会を立ち上げるなど、勉強会を行っているところであり、引き続き地域の皆様とともに、道路整備に合わせ、地域の特性を生かしたまちづくりについて検討してまいります。

 以上でございます。
◯ 桜井正富君 御答弁、ありがとうございます。

ただ今回の計画、これから進める街路整備というのは、街路整備事業だけでやるということで、今、方針が進んでいるわけでして、この街路整備の整備計画というものをちょっと見させていただきました。それによりますと、こう書いてあるんですね。「和戸町竜王線中央四丁目工区整備事業の必要性」として「中心市街地の現在の狭隘道路の代替となる道路の新設で、住環境の向上、アクセスの向上に寄与するものである」。この次のことなんです。「歴史や文化に触れることのできる中心市街地の再生を目標とし、中心市街地の活性化に必要な事業である」とされております。

 私もまさにそのとおりだと思いますが、新設する道路に今回隣接する、歴史や文化に触れることのできる、本当に大変な、昔からの歴史のある連雀問屋街が活性化をしなければ、和戸町竜王線が完成をしてもどうなのかということが疑問に出てくるんですね。ですから、当然、街路事業ですから、沿道サービス、あるいは沿道区画整理、当然考えられますけれども、私はその道路を進めながらも、やはり一方ではまちづくりというものをしっかりと並行的に進めていかなければ、でき上がった、すばらしい道路ができました、一方、連雀は真っ暗です。これでは中心部の活性化にはなっていかないのではないかなと。

 そうすると、今の答弁ですと、研究会を地域の人と立ち上げると、こういうことですから、もう具体的にコーディネーターの派遣であるとか、そうしたところをしっかりとリーダーシップを、指導をとっていただいて、まちづくりに対して、地域の人から上がってくれば相談に乗りましょう、じゃなくて、行政と一緒に、専門家も入れる中で、このまちをどうしたらいいのか、開発した方がいいのか、あるいは区画整理をした方がいいのか、もっと手近に考えるならば、皆さん方が自分たちの店の前をどういうふうに改良すれば、このまちが復活するのか、活性化するのか、若い人たちもふえてくれるのかと、こういうことを同じ形の中で私は進めていくべきだと思っているんですね。仕上がってから考えましょう、だったら、私は中心部の連雀のまちづくりはちょっと難しいと思っております。これから整備着工するにも年数がかかるわけですから、これから設計から始まって動くんですから、もうすべて、まちづくりと連雀と道路整備のこれをできるだけ同じテーブルにのせていただいて検討していく、研究もしていく。これをぜひ、ひとつ行政の方から力を入れて、まちの方々にノウハウを教えてあげる。あるいは、まちづくりの意見を吸い上げる。こういう、ひとつ取り組みを積極的にやっていただきたいと、こんなふうに思っております。

 この点につきまして、何か御意見がございましたら、いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

◯都市建設部長(幡野治通君) 和戸町竜王線中央四丁目工区の協働のまちづくりについてお答えをいたします。

 連雀問屋街の活性化につきましては、道路整備に合わせたまちづくりについて関係地権者等から御質問や御意見が幾つか寄せられております。道路整備に合わせたまちづくりの手法といたしましては、先ほど議員がおっしゃられましたとおり、沿道の区画整理、また、区画整理事業、それから再開発事業等が挙げられますが、地域の皆様がまちづくりについて研究をしていく「まちづくり研究会」も2月に発足をいたしました。ですから、研究会への、またコーディネーター派遣等も含め支援を行う中で、連雀問屋街においてどのようなまちづくりが望ましいか、地域の皆様と協働で研究してまいりたいと考えております。

 以上でございます。
◯桜井正富君 ありがとうございます。ぜひ、そのようにお願いいたします。

 ちょっと余分なことかもしれませんが、あそこは連雀の自治会も同じように構成されているんですね。それで、大体45世帯ぐらいがあそこの自治会を構成しているんですが、そのうち、この和戸町竜王線に、中央四丁目工区に重なる、いわゆる隅切りというんですかね、四つ角ですね、そこを移転していただくためには、11世帯がこれに絡んでくるんですね。いわゆる連雀問屋街の地域の中で、45世帯のうち11世帯が今回の移転にかかわってくる。そうすると、11世帯の商店が残ってくれなければ、まちづくりができないんですね。ぜひ、ひとつ、この11世帯の方々に残っていただいて、新しいところに商売を延長していただく、つないでいただく、こんな努力も、ひとつ、ぜひお願いをしておきたいと思います。

 以上で、この質問は終わらせていただきます。

参考
都市部の水害シンポジウム 「濁川のかわづくり 現在・過去・未来」というテーマのシンポジウム参加記録
◇ 甲府市 平成18(2006)年3月 甲府の都市計画
◇ 山梨県県土整備部 都市計画課
◇ 都市計画課 都市計画道路の整備