甲府市中心市街地活性化基本計画策定委員会

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第4回会議録

編注・この第4回会議の議事録を拝見すると、ブログやホームページに推測で書いた事について確認できる内容があります。中身が濃い議事録と感じますので、リンクや注を入れながら編集を継続します。審議内容についてのコメントはブログで書く予定です。文中の強調箇所は原文に準じ、更に下線など編者が追加しています。また段落を適宜小分けしています。
開催日時・平成19(2007)年8月21日(火) 午後3時
開催場所・甲府市役所本庁舎1号館 4階北会議室 出席・13名
議事内容等

はじめに

今日の議題については、未だ結論に至らないものがほとんどで、今日も中間報告的な中身が多分にあると思う。
先日、新聞を見ていたら、全国に中心市街地活性化協議会が50ほど立ち上がっているそうだ。その中で既にいくつかの都市が認定を受けたり認定申請をしたりしていると記載されていた。また8月8日、商工会議所において、甲府市中心市街地活性化協議会が開かれた。その内容についても後ほど報告させていただきたいと思う。それでは議題事に沿って進める。まずは各部会からの報告ということでお願いしたい。

(1)各部会からの報告

①都市計画部会

第2回の部会は、計画の基本コンセプトは何かということから始まった。甲府市中心街の近未来象をどんな形にしたいのかを掘り下げ、明らかにした上で、計画区域がどのエリアになるのかを部会で決定した。

まず、A委員の提言「緑と水の活用とすみやすい町」を検討した。この中でのポイントは来街者、居住人口の増加策は何かということで、自然をイメージしたまちづくりを考えたらどうかという提言だ。この自然の具体的なものは緑と水だ。

現状分析として、実は甲府市は非常に緑の面積が少ない。これは東京の都心や墨田区の下町とほぼ同じ程度の緑しかない。東京の山の手や東京区部全体の22.3%より低い数字だ。これは以前から言われていることだが、「山の都」と言いながら、周りに山はあって自然はあるのだがまちなかに緑がないということで、この率は全国で下から数えて3番目だ。もう少し緑を増やさなければいけないと考えた。

具体例は、平和通りのけやきの並木道と新平和通り。新しくできた宗教団体施設から南側の通りの街路景観の違いが非常に大きいことを見ても、緑が少ない現状が端的に現れていると思う。

水に関しては水道水の美味しさということだ。2001年の調査の中では全国で1番水が美味しい所だった。しかしながら雨が少なく、日照時間が長いため、先人達の水に対する執着はすごかった。具体的には井戸、甲府上水、城の堀がある。ところが井戸に関しては地下水脈に恵まれず、飲用に適した井戸水が出るところが非常に少なかったということもあった。甲府上水に関しては、全国で2番目に作られた上水ということで、いかに甲府が水の確保に苦労していたか、もしくは水を大事に考えていたかということがこの歴史を見ても分かる。ところが今はこの甲府上水は忘れ去られ、ゴミがうず高く詰まれていたり、もしくは潰されていて、人の目に入らない所になってしまっている。また温泉源も中心市街地にたくさんあるが、これを活用しているところはほとんどなく、眠る温泉源となっていることが現状として出てくる。

この現状から見えてくるものとして何かということを議論した。

ア)「緑あふれる街」
○都市公園、まちなかポケットパークの再整備と活用アイデア
○県庁~日本銀行に至る平和通りと舞鶴陸橋に至る道をつなぐ。その間を森のようにしてしまおうという提案。
○街路の緑化推進とまちなかフラワーモール化

イ)「水際整備」
○甲府上水の生活景観への表出と整備(具体例として谷村にあるせせらぎや玉川上水の例を挙げて説明してもらった)
○城空間の再構成と整備
○市街地への「せせらぎ」導水(水を街の中に引き込み活用したらどうかという話)
これらの結果として次の暮らしやすい街につながる。

ウ)「暮らしやすい街」(高齢者にも優しい街)
○車に頼らない街―街路のバリアフリー化。地域内のバスの循環
○快適な住環境―温泉の活用。高齢者向け住宅誘致
結果として「暮らしてみたい街」「憧れの街」を実現する。それが今回の基本計画の一番大事なところなのだという話しだ。

次にB委員の提案を基に検討した。

ア)「中心市街地の再生は未来のライフスタイルをつくること」

要約すると、街居住についての提言ということで、中心市街地で暮らしたくなるまちを創造する。そのためにはモノ以外の何かが必要だ。その何かとは、中心市街地にある様々な出会いだ。「人との出会い」「店との出会い」「自然との出会い」「歴史との出会い」「文化との出会い」であり、それらによって心が弾んでくる、ウキウキしてくる、楽しくなる街をつくるということだ。

3つ目はC委員の提言だ。この会議への応募小論文を基に検討した。要約すると3つにまとめられる。

イ)空閑地のポケットパーク化整備と緑化促進―ポケットパークに足湯をつくっても面白いのではないかという具体的な話もあった。

ウ)景観重視のまちづくり

エ)歴史を感じるまちの創出―旧町名の復活と利用。また、甲府というのは信玄の時代と徳川の時代が並存する街で、両方の遺構がきれいに残っている。

中央線から北の武田神社に至る通りの東から西に抜ける通りは甲斐駒ケ岳を目安にして作られたという。北バイパスの愛宕山トンネルを抜けると真正面に甲斐駒ケ岳が見える。そのまちの横の方の街路を作るときに、甲斐駒ケ岳を目安にして道を全部作っていった。中央線から南側の東西へ延びる道を見ると、鳳凰三山、地蔵ケ岳を向いて線を引いたので、線路を分けて北と南で5~6°の差がある。そういう近世の信玄時代と徳川時代の2つの時代がそのまま並存して残っている、これも甲府らしさの1つではないかと感じた。

『中心市街地をどのエリアにするか』

市から示された元の案と大きく違うのは、西側の住宅街、県民文化ホールに近い所までのエリアを網羅した。そちらまで広げて考えたということだ。大きな元になるのは、朝日町から南下する道路、連雀問屋街~商工会議所前~文化ホールに至る道。最北が北バイパスで、東に関しては銀座通りの外れ、ビジネスホテル東側の通り、この街路に囲まれたエリアを今回の中心市街地と位置づけたらどうかという提案だ。

以上が今回のポイント。要は最初の検討内容に考えてあるが、基本計画というのは甲府の未来像、これも20年も30年も先ではないが、ただ30年くらい先を考えて今この5年間くらいをどんな姿をイメージとして描き出せるのか。この最終的な甲府市中心市街地を描いた上で、今何をなさなければいけないかを皆さんで議論して決めさせていただいた。

【委員長】
まだ総論的な話が中心で、区域の話もあくまでも部会の中で話し合われた内容であるため、まだ皆さんにその点について承諾を得る段階ではないということを補足させていただく。質問がある方もいるかと思うが、他の部会の発表を待ち、その後、一括して意見交換していきたい。

②商業部会

7月17日に山梨県から提示された「商業の活性化」のプランがあったため、その内容を確認した後、市から提示された事業に加え、更なる商業活性化のための方策は何があるかについて検討した。

様々な意見が出て、結論めいたものを作るには至らなかった。実際、非常に難しい問題をたくさんはらんでいる。

ア)ゾーニングのグランドデザインを策定し、点在している優秀な専門店を集約し、配置すると共に、連なる商業者等の更なるレベルアップを図り、市民、県民の高度な消費ニーズに、十二分に応えることによって、甲府市中心商店街の存在を再認識させ、活性化の原点とする。

哲学めいたことで具体的にはどうするかということは、いろいろと問題があるとは思うが、このようなことがきちんとできることが理想であると考えられる。

イ)甲府駅ビルにはジュニア・ヤングファッション、中心商店街の百貨店にはミドル・シニアファッション、現在行われている紅梅地区再開発ビルにはその中間の 20~30代のファッションを扱うショップを配置し、これらの大型店を結ぶ八番街―オリオン通り―春日モール―銀座通りを一軒の空き店舗もない商店街とし、中心商店街の活性化の起爆剤とする。

これは現在あるリソースをうまく活用しながら、その動線である商店街に一軒も空き家がないようにしていったらどうかという考え。現在でも八番街(編注・県庁西門から県民情報プラザに至る平和通り東側商店街)は相当埋められている。風林火山博という起爆剤によるものが大きいと思うが、大変良い商店街に変わりつつある。これが南の方まで伸びていくような格好にする。これもまちづくり会社等の活用も必要ではないかと考えている。
(編注・このような客を年代区分したゾーニングの適用は疑問がある。ターゲットとしての客層を決めるのは個々の店であろう。)

ウ)商業の活性化には交通、駐車場等の整備も必要で、中心商店街百貨店東側の1ブロックを公共駐車場化、かすがも~るの時間割交通規制、平和通りの一車線休日駐車可制度等の思い切った対策が必要であろう。

これは交通部会等が考えるものだが、商業部会もこういうものをぜひ考えてもらいたいという要望だ。

エ)路上ではできないイベントを、かわせみ広場を多面的に活用できるように改良して、例えば夕方からはコンサートが開けるようにする。

現在でも路上でギターを弾いたり、路上コンサートがあるが、違法の側面もあるため、きちんと彼らにそういう場を与えたらどうかという考え方だ。

オ)売り上げに応じて個店がポイント(シール)を発行することにより、再来を促し、イベントのきっかけを創りやすくする。

これはかつて中心市街地で様々な試みが行われ、失敗した経過もあるので、またかという話しにもなるが、また皆さんが元気を出してやるということになれば、まずそれをきっかけにしていろいろな試みができるということだ。
(編注・ブログで言及した地域通貨Kもおそらくこの失敗した事例かも知れない)

カ)地場商品ショップ、協働店舗、テーマ型商店街については今後の検討を待つこととなった。

このようなことを皆さんと共に十分、時間をかけて話し合いをさせていただいたということを報告させていただく。

③交通部会

8月7日、11名の参加者で実施。

ア)「交通WGの位置づけ」

まず、そもそも中心市街地活性化における交通ワーキングの位置づけとは何かということを話している。

イ)「交通は中心市街地活性化に寄与できるか」― 中心市街地が空洞化した理由が、交通体系、モータリゼーションなどが進み、中心市街地が交通が便利でないという状況になっていることが一因であるとしたら、交通の利便性その他によって中心市街地の活性化に寄与できるのではないかという話しになった。対郊外ということについては、考えていかなければいけないという話しがあった。

ウ)「活性化後の都市イメージの提示」―交通部会というのは、交通の魅力で中心市街地を活性化するという1つの案があるが、そもそも中心市街地に魅力がなければ行く人がいない。その状況で交通がサポートしても効果がない。中心市街地に人を集めるためには活性化後の都市イメージが必要だろうという提案があった。

これは都市計画部会で検討することだろうが、甲府市中心部+周辺4地域という形でのグランドデザイン、活性化後はどういう状況になるのかということをきちんと提示しないと交通部会としての話も難しいのではないかという意見があった。

それを踏まえた上で、交通関連の議論のポイントは3つ。1つ目は路線バスの改善が可能かということ、2つ目は自動車アクセスの改善についてはどういうことが可能かということ、3つ目は駐輪・歩行環境の改善についてであったが、主に時間のほとんどは路線バスについての話だった。

エ)「バスの問題点」

□ 路線が分かりづらい―バスでどう移動するか。どこから乗って、どこまで行って、いつバスが来るのかがすぐに分からない。そういうことが車利用に負けている

□バス停問題―待ち時間が長いのに待ち時間が快適でない。バス路線は中心街では密にある部分もあるが、一般的にはそれほどではない。バス停へのアクセスが悪い地域が多い。そういう状況でバスを使って中心市街地へ行くということは無理だろうという話しがあった。
□バス運行について―拾いきれていない需要がまだ本当はあるのではないか。中心市街地活性化というよりもバス利用者をどう増やすか。増やした結果として、中心市街地に人が集まるのではないかという位置づけの話が行われた。

オ)「バス利用者の利便性向上策」

□バス路線を分かりやすく―方向別コードナンバー化。バスターミナルの複眼化※
・バス利用支援ポータル設置、ハンディバスマップ等の配布
・バス料金のゾーン制など料金体系の簡便化(どこからどこまで乗ってもいくらくらいということがきちんと分かるようにする)
□バス停の快適化・利便性向上
・上質なバス停(デザイン的に美しい、ベンチ等がきちんと整備され、待っている時間がそれほど苦痛ではない)※、バス停の高機能化(アナログ・デジタルのポータルサイト化)←分かりづらい表現だが、バス停で待っている間にいろいろなことができるようにしたらどうかという話。そこを中心として1つの情報発信源としてのバス停を検討できないかという話。
・バス内での活動支援(バスに乗っている間にもいろいろなことができる。クーポン券ダウンロード、病院受付等)
□路線デマンドバス化(バス路線が密でないため、ある程度デマンドバス的な動きができるようにすることを検討するのはどうか)
□バス停の駐輪場の整備(バス停へのアクセスが悪いという話に対し、バス停まで自転車で行くことをもう少し整備したらどうか)
□バスと利用者の間のコミュニケーションシステム(要望のフィードバック)←バスに利用側の要望がきちんといきわたるような、コミュニケーションが可能になるようなことができないか。先ほどの拾いきれていない需要がどういったところにあるかということをきちんと把握しなければいけないのではないか。

※印がついているのは、既にバス事業者で検討策として挙がっているもの。バスターミナルの複眼化(駅前+中心商店街辺りにバスターミナルがつくれないか)、上質なバス停についても検討しているとのことだ。

カ)「バス利用者増加のための施策案」

□バス利用促進の施策
・免許返上とセットのバス利用券(これは高齢者のという話しで既に実施している所があるということで提案があった)
・行政等、市内中心部勤労者対象のバス利用のインセンティブ供与(バスを使って通勤するということに対し、もっとインセンティブを寄与できないか。そういったバス利用が増えることによって中心市街地の滞在時間を増やすことが可能になるのではないか)
・大学生新入生対象のバスパスの購入(大学新入生といった車利用をあまりしない人たちに対し、バスを使いやすくするために、バスパスを作り買ってもらうのはどうか)
・環境定期(バス利用は環境に優しいということで、それを考慮し、そのベネフィットを内部に入れた定期券とういもの)マイレージ制度、商店街ポイント等の連携によるバス利用のインセンティブ導入(環境負荷を企業評価に反映するのはどうかとの話も)
・バス利用のお試しと、バス利用生活計画書作成、時間帯、曜日別割引制度(バスを使ったことのない人に対して、バスを使ってみましょうという施策)
・バス利用のイメージ向上(現在、バス利用が良いイメージで捉えられていないため、バスを使うことが良いイメージになるような施策ないだろうかということで、以下のことが挙がった。バス利用の生活のよさのアピール、かっこいいバス、バス運転手のタレント化、キャラクター化、燃料電池バスの運行によるイメージ向上等)

キ)自動車アクセスの施策

□駐車場(自動車アクセスの問題点)
・狭い道路(低い交通容量=交通量の増加等が渋滞に。一方通行等による利便性の低下)
・有料の駐車場(中心市街地に滞在すればするほどお金がかかる仕組みであるため、中心地になるべく滞在しない方向にしようと働くのが問題)
・駐車場の場所と料金体系が不明確(駐車場案内システムの利用低下。細かい駐車場がたくさんあり、どこに駐車場があるかが明確でない。これは以前、甲府市で駐車場案内システムを導入した際、利用率が高くなかったということで、その辺をもう少し考えないと、駐車場の場所が分かりづらいといっても、あまり情報も所得されていないということもある)

ク)自動車アクセス施策案

□駐車場の利便性向上
・道路の改善もあるが、これは交通部会で話し合う内容ではないということで、駐車場のアクセス策については主に駐車場の利便性向上について話が出ている。
・無料化・低廉化(商店街での購入額とリンクした割引、一定時間の無料化等)これは以前検討されているが、もう少し別のやり方でできないかということだ。
・駐車場料金体系の見直し(一元化+商店街の共同、均等化)これにより、どこに停めてもそれほど変わらない、停めやすくすることが可能ではないか。
・レトボンとの連携(中心部駐車場+レトボン。多少外の駐車場に停めてもレトボンで中心市街地にアクセスできるようにする。駐車場を結ぶレトボンができないか。コミュニティーバスも以前施策としてあった。そういったもので駐車場と中心市街地を結ぶという形でもかまわない。そういう意味ではフリンジ駐車場、周辺部の駐車場とバスの連携も可能だろう)
・未利用公共用地の駐車場への一時的転換(恒久的に駐車場を増やそうということではないが、当面、自動車でのアクセスがかなりの割合を占めるため、駐車場の整備というものを公共でやるべきではないか)
(編注・公共駐車場については甲府市新庁舎駐車場との関連でブログに書いておいた)

ケ)自転車・歩行者の交通環境

□駐輪場の不足によるアクセス性の低下
□自転車走行幅の不足による低い安全性(自転車で走ってよいところが基本的にあまりない。車道を走るが、車と錯綜して安全ではない)
□自転車と歩行者の錯綜による歩行者の安全性の低下
甲府駅周辺と中心商店街との距離感(この間をどうやって歩いてもらうかについて、問題がある)

コ)自転車・歩行者施策案

□公共施設・大型店・商店街に駐輪場を整備する(自転車によるアクセスを前提とした整備も必要)
□道路空間再配分(自転車専用空間の整備、歩行者・自転車の分離、IT化したフリーサイクルの配置←中心部の中を乗って回れる自転車。ただし盗難にあわないようなシステムを導入していくという話。中心部に入ってから、自転車を貸し出すということが可能ではないかという提案)
□中心市街地移動支援バス(レトボン、コミュニティーバス)の利便性向上
□歩きたくなる環境整備(中心街+駅前の歩行空間整備をあわせた地域再配分)、ドッグラン等の配置
(編注・観光用レンタサイクルは既にあるが利用状況などの話が何処からも見えない)

まとめはないが、どういうことが可能かということについて、いくつかの提案をもらいながらポイントごとにアイデアを出していった。

サ)トータルパッケージとしての中心市街地活性化

最初のところに戻るが、交通部会としてはアクセスを簡便化することによって中心市街地に人を呼ぶという話しはあるが、そうは言っても中心市街地に来るという目的の人が増えない限り、交通部会の対策としては難しい。そういう意味で他の部会と連携して、交通も含めたトータルパッケージとして中心市街地を活性化したい。それにはどういうことが必要かいくつか提案を挙げている。

□郊外から中心市街地への行動転換方略の策定
□中心市街地活性化が必要であることを広く共通認識とする
・同じものや大して変わらないものなら中心市街地で(商店街トータルでの魅力向上)
・少しだけ行動を変える試みの蓄積
・プロモーション結果を来街回数、意識変化等で計測
□対郊外で優位となる点を精査の上、データに基づいたマーケティングの実施
・魅力の発見、魅力の特性、来訪することによるメリットの設定、ターゲットの絞込み、分かりやすいテーマ設定
・現状の来街者の行動分析による魅力のマイニング
(編注・コンパクトシティというコンセプトは各部会では議論されたのだろうか。以下の議論の中ではそれに関係するテーマが語られてはいるようだ)

【委員長】

他の部会を含めて意見や質問があればお願いする。

【D委員】

中心市街地の活性化。中心市街地がどんな都市機能を持たなければならないか。その都市機能が実はあまり活発に展開されていない。それを活性化させるというのが中心市街地活性化の本来の姿ではないかと思う。そこでここで考えるのは緑と水をイメージしたまちづくり。この計画に考えている中心市街地というものは、どういう都市機能が欠けている、あるいは不十分なのか。それをどの程度まで活性化させたいのかという点についての考えを教えてほしい。

【E委員】

東京のまちなかと同じような街をつくる必要性はない。甲府のまちのイメージからすると、1つの言い方として「山の都」という題目がある。それから受けるイメージと実際の甲府のまちなかが非常に大きくかけ離れているようなイメージがある。山の都にふさわしいまちづくりをする。訪れる人たちだけでなく、住んでいる人たちにとっても魅力あるものでなければならないということで、1つは周りには自然があふれているが、まちなかにそれらを感じるものがないということでこういう提案をした。インフラ、いわゆるものとしての整備も大事だが、それ以前に、都市として持っていなければいけない、自分達の感性に訴えてくるようなものがなければいけないのではないかという話しが出てきた。

都市基盤については、B委員からの出された意見の中心市街地の再生は未来のライフスタイルをつくることであるということ。そこにもいくつか細かい内容の提案が出ている。今まであるような居住系、既存のストックを活用してやったらどうかという提案がいくつかあった。

C委員からの提案にも、既存の都市のストックを多面的に活用するということで具体案が書いてある。そういうものを総合的にやっていくのだが、私たちが目指すのはというのは自然と共存するまちをつくっていったらどうかということでこういう議論になった。

【D委員】

もう少し具体的、身近なことを教えてほしかった。都市は共有機能、行政機能、買い物機能、ゴミ処理の機能もある。あるいは感性を磨く機能、医療系の機能、いろいろなものがある。そういう近代都市としてこれから豊かに暮らしていくのに必要な都市機能の充実を描いた時、この甲府市はどうなのか。

私は最近来た他所者なため、実態をよく知らない。ただ、数年間生活した実感は、甲府市は非常に住みにくいということだ。本当はそうでないかもしれない。そういう点を古くからいる方々はどう考えていて、この甲府市の都市機能がどうなっているのか。さらにこう発展させようと考えているのかをもっと知りたい。

【E委員】

今のD委員の話で、それも大事だと思うが、第2回の部会で話をしたのは、個々の具体策に至る前の段階として、私たちがイメージしている甲府市は「近未来的に言うとこのようなものにしたい」というものが先にあり、それを実現させる個々の政策が出てくる。これはおそらくこの次の課題になるのではないかと思った。

具体的に話をすると、実際に甲府のまちなかに住もうとすると夜は物騒で、暗い。医療機関は郊外へ出てしまう。スーパー、百貨店の地下には食料品を売っているが、路面店で食料品売っている店は少なくなってしまったり、歩いてまちの中に住む不便さは当然出てくる。それをそのまま良しとするのではなく、私たちがイメージしている甲府市というまちの中に、今度は出て行った物を更に付加していくのかということの議論は次になると思う。D委員の話は次回でもう少し突っ込んだ形での説明ができると思う。

【F委員】

どういう都市にしたいかは非常に重要だと思う。特にB委員からの提言は非常に良いと思う。モノ以外の何かが必要で出会いがあるという話しでいくつか提案いただいたが、そのとおりだと思う。1つ検討いただきたいのは、それを一般的に受け入れられるにはどうしたらいいのかということだ。おそらく都市の郊外化が進んだのはこういうことが好きではないという傾向をほとんどの人が思っているからで、こういうのが甲府市民への話としてどう持っていったらよいのかを検討してほしい。

【委員長】

他にいかがか。私の個人的な発言をさせていただきたい。私はずっと悩んでいることが2つある。1つは先ほどD委員が少し話したことだ。その意見は前回、部会にも出てきた。いわば、甲府の中心市街地は何を目指しているのか、どういう姿を理想としているのか、どういう形に持っていきたいのか、それがまず見えない。地域も含めてどのエリアが該当するのかについても前に話していて、1つの目指す姿がまだ全然提示できていないため、その下にある各論だけという形で進んでいる。そのことに対して、私はどこかで早くその姿、キーワードを見つけたい、また探し出したいと悩んでいる。

もう1点は、費用の問題。なぜ悩んだかというきっかけは、ここにあるまちづくり新聞というのを見ていたら、熊本県八代市の話が出ていたからだ。ここが認定を受けたのだが、総事業費は15億円。金額としてはものすごく少ない。甲府市の場合、事業をした時に一体いくらの上限というわけではないが、金額が可能なのか。ただ、事業を並べる、羅列するのも意味がないのではないか。八代市は人口が13万人だそうだが、そういう都市が15億円の総事業費しか組んでいないのに、甲府市が例えば50億円とか100億円という金額をのせるのが本当にいいのかどうか、というのが2番目の悩みだ。

最初に話したように、今日まではそれぞれの部会が大きい視点で捉えている。個別の事業をどうこうということまで細分化する段階にはまだ至っていない。今は、どういうことが各部会の守備範囲になるのかということで、そこの中からこれから選択していきましょうということだ。選択するには当然相手がある。例えば交通部会については、複眼的なバスセンターをつくろうという時に、その候補地が実は中央公園なのだが、中央公園は県の所有で、この前の話だと次の建て替えの一時的に使用することもあるかもしれない。そういうことからなかなか他の用途に利用できにくいという話もあった。だが、そういうことはまだ実際に点検していない。

また、A委員からせせらぎを作ろうという提言があった。これは何とか実現できないものかと思った。そうするとそれは当然水利権、水の問題、水をどこから引っ張って来るのか。市とも県ともいろいろな問題が絡んでくる。いきなり事業という中に書き加えることもできない。その裏づけが必要。

そういうことがあると、今後どうやって全体像、予算(事業費)の問題、各個別の問題を整備していくか。特に事業については、要は誰がやるかという問題が一番大きい。ただ事業名を羅列してやったのでは、前の繰り返しになってしまう。当然、こういった事業を誰がやるのか。お金はどのくらいかかるのか。いつまでにするのか。こういう青写真がきちんとできなければ事業に計上できない。そういうこともあり、次からどういう形で進めるかについて悩んでいる。

提案だが、これからは全体像については部会長と1度、会をしたいと思う。私が1人で考えるわけにはいかないし、それほどアイデアがあるわけでもない。部会長と甲府市が目指すものについて考えていきたいと思っている。これが1つの提案だ。

2番目の事業費については、今はどうしたらいいのか分からない。

3番目の個別事業については、今後は部会でそれに徹底的に取り組んでほしい。とにかく事業名を挙げてほしい。今はいわゆるどういう守備範囲にあるかという全体像を掲げているわけだが、その中で、うちの部会は選択して5つだけ取り上げようというふうに選んで、それが実現するかどうか、「どこそこで点検しないと正式には掲載できない」というカッコ書きを付け、これを実現する場合には誰がどういう予算規模でいつまでにということを合わせて考慮して次の部会から話し合いの中心材料にしていただきたい。

以上のことについていかがか。皆さんの意見を伺いたい。これは私が一方的に思っていることなので、事務局でもそれでは進めにくいといったこともあると思うが、いかがか。

【副市長】

私もできれば各事業を主語付き、理想的には事業費の目安くらいまで、具体的な場所もということで、おいおい中身を入れていきながら具体化の方向に入っていただければと思う。その時に、市が関わらないでできる事業、本来市が関わるべきでない事業もおそらくあると思う。関わる事業も多いだろう。どのくらい実現可能であるかについて市の方が相場観というか、実現可能性についての見込みも立ちやすいと思う。私も含め、そういう実現可能性、あるいは事業の洗い出し、組み立てを相談される時には、見通しを立てるのを手伝わせていただければと思う。これは私共が、検閲するというものではもちろんない。これはダメ、あれはダメといっていたらつまらない作業になるため、あくまでお手伝いするという主旨だ。

事業費については、正直、今の段階で総事業費はこのくらいという見通しがあるわけではない。確かに15億円というのは小さいという気がするが、では甲府市がどのくらいになるかは正直分からない。事業主体が誰になるかということにもなるし、国の補助金が出る事業、出ない事業もある。出る事業についても2/3出る事業もあれば1/2しかでないものもある。国の補助金がたくさん出る事業で大きなものをすれば事業費は当然膨らむし、全く地元で予算を用意しなければならないというものであれば、ある程度小さくならざるを得ず、相当幅があるものだろうと思う。おそらく事業を煮詰めていくと、終わりごろに大体地元で幾らくらい用意しなければならないというものが見えてくる。そうすると、やっぱりこれは無理だという話しになるかもしれないし、もう少しできそうだからもっと考えようということになるかもしれない。それは走りながら考えたい。段々煮詰まってきたらそれも考慮に入れなければいけないと現段階では考えている。

【F委員】

最終的な姿をどうしたいかについては交通部会でもあった。それがベースになると施策としてどうするかを非常にまとめづらい。交通についてはそもそも車中心に考えるのか、公共交通に考えるのか、その折衷案にはなるだろうということは分かるのだが…。なるべく早くということを委員長におっしゃっていただいたため、それを早く決めたい。そうしないとなかなか難しい。できれば本当はここで話ができれば一番いいのかと思うが、そうするとなかなかまとまらないというのもある。ここに来ている委員の間でイメージ共有を早くしないと、各施策として統一性が難しいと思う。できればなるべく早く実施したい。

【G委員】

先ほど委員長から商工会議所の活性化協議会の話が少し出た。当初説明もしたが、国交省で主たる市がスタートする委員会とパートナーを組む形で商工会議所、ないしは商工会が活性化協議会をつくって進めるという基本的な考え方があり、4月に商工会議所がスタートさせた。偶数月に開催し、4、6、8月の3回行った。この協議会からは、そろそろそのタイミングが来ていると思うが、この委員会に対して提案をさせてもらえるということがある。メンバーは委員長と私が両方に参加している。関連では商店街連盟会長、百貨店、スーパー、大型店協議会、オブザーバーとしては市から副市長、県から商業振興金融課長に出席してもらっている。また、市幹部も出席してもらっている。

この中で、前回、甲府の中心市街地でTMOの計画を使って継続している事業及びプロジェクト、並びにこのコンパクトシティを捉える形で計画が進みつつあるというか、計画をしているブロックごとの開発の現状を全員で確認し合った。これは不確定な部分もあるが、結構今、甲府市内でそのエリアの商店街なり個人事業主なりがプロジェクトを進めている、進めようとしている現状だ。これも先ほどの事業主との関連が出てくるが、当然、国、県、市等、行政の補助金等を活用した中の進め方もある。だから現状、今どういうプロジェクトが進んでいる、あるいは進めていきたいという確認をした。

例えば先ほどの複眼ターミナルについてもバス事業者の常務がメンバーに入っているため、ざっくばらんな話の中では、場所について、バス事業者からは、百貨店の筋向いのタクシーの辺りを活用したいという話しも聞いている。百貨店は、東の事務センターのエリアはどうかとか、あるいはペルメ桜町は現在取得している駐車場領域を使ってあそこに持ってくれば雨に濡れずに桜町から銀座、あるいはオリオン通りまで人の移動が可能ではないかなど、そんな話など、現実的なものが今出ている。

新たには文化、芸術、歴史の甲府城の活性化、身近な例では桜座が今あるが、甲州夢小路の計画などがある。今後特に個人や企業だけでなく都市として問題となってくるのはエコ対策。環境対応として先ほども緑の話が出たが、環境都市という形でどういう方向に持っていかなければいけないかなど、今出ている。だからこの辺は一度、委員長と刷り合わせをさせてもらって協議会の現状の内容を皆さんに報告させていただく、提言させていただくということを、日を設定させてやらせていただきたい。

【委員長】

実はいつかの時点で、商工会議所が主体となって運営している中心市街地活性化協議会の委員の皆さんと、私たちの委員会の皆さんで合同で会議を行いたいとずっと思っていた。いつかの時点で開きたいと思う。

話が前後して申し訳ないが、ちょうどG委員が話されたので、順番を早めて(2)計画記載想定事業の研究とあるが、実は商工会議所が先日開いた中で議題になったことが4つある。商工会議所の課長さんから説明いただければありがたい。

【商工会議所】

手短に説明させてもらう。8月8日に取り上げた議題が委員長から話があったように4つあるということで、そのうちの1番目は今回の基本計画に提案する商業関係のソフト事業ということで、協議会の案ということで提案させていただこうということが一番大きな議題だった。まずこれから説明させていただく。

このソフト事業については既に実施しているもの、これから取り組むものの大きく5つのテーマで提案させてもらっている。

ア)「まちづくり推進体制の整備に伴う事業」

今後、まちづくりを推進していくためには中心となる組織が必要で、新しいまちづくり会社の設置が必要不可欠ではないかということで、このまちづくり会社の設置を提案させてもらった。具体的にはいろいろな方式があるのだろうが、甲府市、商工会議所、商店街、大型店等から出資を仰ぎながら、ある程度独立した機関を設置していきたいと考えている。現在、活性化協議会の中には甲府市中央まちづくり株式会社というまちづくり会社があるのだが、現在は、かわせみ駐車場という駐車場の運営を行っている会社だ。広い意味でのまちづくりという観点で事業は行っていないため、新たなまちづくり会社をつくって、今後進めていく甲府市中心市街地のまちづくりを担っていきたいと考えている。

できれば、甲府市の基本計画等の中に盛り込み、具体的に来年からスタートできればいいという形で、今年度末に向けて準備を進めていきたいと思っている。

イ)「甲府市中心商店街の賑わい創出のためのイベント事業」

商工会議所が進めている事業も含めて提案させてもらった。商工会議所が中心となりNPOまちづくり文化フォーラムと一緒になってつくった桜座という施設を平成17年に中心市街地に設置したことがかなり大きなきっかけとなり、商工会議所、中心商店街の中で、芸術・文化をキーワードにしたイベントを実施する流れが強くなってきた。それをきっかけに現在、山梨映画祭という映画をキーワードにした事業、甲府まちなかミュージックフェスタという音楽をキーワードにした事業を既に立ち上げ、実施している。この2つの事業については引き続き10年くらいのスパンで継続・拡大していきたいと思っている。

ウ)「幕絵を活用したイベントの実施」

今年実施している事業。甲府中心街地は昔(江戸時代)は甲府道祖神祭りという祭りを行っていた。道祖神祭りというと小正月ということでどんど焼きのイメージがあるが、甲府の道祖神祭りは甲府の商店街に10メートルくらいある幕絵を掲げて各商店街の華やかさを競ったということが言われている。その再現をしたいということで、この幕絵のデザイン画を今募集して、同じ原寸大の幕絵を10点くらい描いていただき、商店街に掲示していきながらイメージを復活させていきたいというイベントである。これも昔の甲府の文化を街に継承していきたいという思いから今年度事業を立ち上げた。

このような形でイベントについては芸術・文化をキーワードにしながら進めていければということを考えている。

空き店舗対策事業ということで、これも具体的に進んでいる。大きく分けて2つの事業がある。1つは専門的なノウハウを持った団体と連携し、ただ単に空き店舗を埋めるのではなく、専門的なノウハウを持った団体に空き店舗に入っていただき、空き店舗を埋めるとともに活性化の事業を一緒にやってもらう。

実績としては、
このような形での空き店舗対策、また個店の創業者等が甲府中心市街地で商売をしたいという方々に家賃補助という形で家賃の半額を補助し、空き店舗を埋めていくという事業も展開している。

平成17年度から具体的に家賃補助を実施。今年度の途中までで14の支援先に家賃補助を実施。現在12の事業者が継続している。17、18、19年と3年ほどだが、86%の継続率ということで、非常に高い実績を上げている。

エ)「商店街の個店販売力向上事業」

イベントをしたり、大きな開発をしたりすることだけが中心商店街の活性化ではない。やはり一番は中心街に売れる店をつくり集合体にしていくということが必要不可欠である。原点に戻り、個々の店の販売体制を見直す努力、事業が必要だということから一店逸品事業を今年度から取り組む。これは、単なる新しい商品の開発ということだけでなく、店の売り方、ディスプレイの仕方をもう一度考え直してもらおうということで、消費者のニーズに応える形の店づくりをしていこうという事業を改めて中心商店街の皆さんに取り組んでいただくという事業。

オ)「商店街の店舗デザイン向上事業」

新しく取り組む事業だ。先ほど芸術・文化という話しをさせてもらったが、甲府のまちなかを文化的にしていくためには、概観のデザインも含めた店舗デザインを考えていかなければならない。年度ごとにエリアを設定し、やる気がある店舗事業者に内装、外観などを提案してもらい、審査を行う中で、優秀なものについては具体的に事業資金、補助金、融資を含めて援助しながら、少しずつ格好のいい店を中心市街地に増やしていきたい。

大きくこの5つの具体事業がある。基本的には新しくつくる新まちづくり会社、商工会議所が具体的に取り組んでいきたい事業だ。もちろん、この中には行政の支援をいただきながらということで考えている。

2番目の議題として「甲州夢小路事業」の提案がある。これは先ほども出てきたNPO街づくり文化フォーラムが中心となり、北口に設置する観光スポットの提案を具体的にさせてもらった。今日は、皆さんの手元に具体的なデザイン画等はなく細かい説明ができずに大変恐縮だが、平成22年の春を目処に、北口に新しくできた山の手門の東側辺りに古い古民家を移築し、飲食スポット、地場産業の販売スポット、宝飾美術館等をトータル的に設置した施設をつくっていこうという事業の提案をさせてもらった。

また、先ほど協議会会長から話があった中心商店街で現在検討している商店街の事業ということで、その報告をさせてもらった。3つほどの商店街が今、具体的にハード事業を検討している。1つは、オリオン通り商店街のアーケード架け替え事業だ。これは紅梅地区の再開発に合わせてアーケードの架け替えをする事業だ。

また、ペルメ桜町の土地を取得したことに伴う再開発事業についての現状報告。また、ペルメ桜町北側にあたるコリド桜町では、老朽化したアーケードの撤去を考えている。そのファサードを含めた明るい商店街の形成計画の現状報告をさせてもらい、新しい基本計画に間に合うかどうかは分からないが、商店街で具体的に進んでいる事業の報告をさせてもらった。

最後に4番目の議題として、この委員会にもある交通の問題だ。協議会でも交通ワーキンググループをつくり具体的な交通問題について進めている。このワーキングの活動事業の報告ということで、結論から言うと10月くらいにはワーキングでの検討をまとめ、提案をしたいと考えている。

こちらの事業も大きく2つに分けて検討している。

1つは既存のレトボンの再構築。新しい運行計画の提案。2つ目は公共バスの利用促進の提案ということで、2つの大きな事業を掲げて具体的に検討を進めて何とか10月くらいにはソフト事業と同じような形で提案させていただきたいと思っている。

以上、8月8日には4つの大きな議題を話し合い、皆様に報告した。

【D委員】

商工関係ソフト事業に5つの項目がある。この中の(1)のまちづくり会社はこういう組織をつくるということだ。ここで何をするというと、地域を支援するとか、活性化に期する事業を展開・支援するとあるが、この支援とは何か。というのは(2)~(5)までの提案は具体的な事業だ。一方、まちづくり会社はどんな組織で誰がやるのか、費用はどうなるのか、他の事業との関係は何かについて聞きたい。

【商工会議所】

詳細はもう少し詰めなければいけないと思っているが、最初の質問の支援というのは、再開発等を行うためにはどうしても地権者との交渉が非常に大きなものになってくる。現状の紅梅地区の再開発のように、スーパーの大きな地権者があり、中心になって取りまとめていくリーダーがいれば進むのだが、地権者がお年寄りだったりすると、そういう方々に開発の内容を訴えていく、取りまとめていくというのは非常に難しいということで、そういう部分をまちづくり会社で支援していく、大きな意味ではそういうことだ。また、商店街の方々が具体的にイベントをするのだが、自分の商売もあり、イベントに専念できないため、裏方としてこのまちづくり会社が支援・協力体制をとっていくという意味での支援を考えている。もちろん、中にはお金の問題が発生した場合は、どのような調達をするかということも1つ問題点として挙がってくるだろうかと思っている。

2番目の質問として、甲府市がどのように関わるのか、また資金的な問題はどうかについて。資金的な問題については、参加者に出資してもらい、ある程度会社法人を考えているため、まずは資本金という形で出資してもらう。出資金を募っていかなければいけないと思っているため、これを1つの事業の最初の投資金額として活用していきながら、将来的にはこの会社が利益をあげるような形で、その中から事業を捻出していきたい。立ち上げの時には出資金、資本金を活用する中で事業を進めていきたい。当然その中には甲府市からも出資をいただきたいと考えている。これはお願いしていくことになろうかと思う。

また、具体的に会社の中で職員として活動してもらう人材については、大きなポイントになると思う。特にタウンマネージャーという人材を1人新たに雇用していきたいと考えている。これは全国的なまちづくり会社の事例でも非常に大きなポイントになっている。協議会でも長野市に視察をし、まちづくり長野という組織でタウンマネージをしている方が、大型店を退職された方で、大きな役割を果たしたということを伺った。そのため、タウンマネージャーの人選というのは大きな問題になってくると思う。このタウンマネージャーの人件費は3年間、国の戦略的補助金という補助金を充てることができる。もちろん、国に申請をして審査等も受ける中でやらなければいけないが、そのようなものを活用していきたい。ならびにまだこれは甲府市と詰めたり、私どもも職場の体制を整えなければいけないと思っているが、商工会議所から1人出向職員、甲府市の行政からも1人くらいは出向職員を出していただき、3年くらいの体制でやっていければと思っている。これは案の段階だが、まちづくり長野はそのような体制で行っていて、やはりそのくらいの体制を取らなければまちづくりは進まないのではないかと考えている。詳細はこれからもう少し詰めなければいけないが、そのような体制を考えている。
(編注・これまでの甲府市TMOではタウンマネージャーが不在だったか育っていなかったことになるか↓)

【A委員】

前の計画などにもいろいろなるほどと思わせるプロジェクトが組まれていて、それが前回の計画では上手くいかなかった部分の理由の1つとして、計画はあるのだが、本来なら中心的な役割を担わなければいけない商店主の協力が得られなかったという話を聞いたことがある。

例えば、夜のイベントがあっても夜遅くまで周辺商店が店を開けているという協力が得られなかったといったことがある。言葉は悪いが、笛吹けど踊らずという場面があったかと思う。今回も良いアイデアが入っている部分があるが、踊らすためには、一緒にやっていくためには、どういった取り組みが必要か。ただ、イベントをやるというものではなく、いかに巻き込んでいくかについての手法的な部分について言及されている部分はあるか。

【G委員】

実はスタート時点で、委員のメンバーに意図的に商店街連盟の皆さん、自治会の役員に入ってもらっている。そこで生活をし、そこで商売をしている方に入ってもらっている。ただし、今、A委員に指摘を受けたように3回の協議会を開いたが、その皆さんからの発言の熱っぽさはそれ以外の人に比べると弱い。だからまさに今、指摘を受けたところをどう詰めていくかが課題。皆さん関心がないわけではないし、メンバーにも入ってもらっている。だが、発言内容等を見ると、ちょっと弱いかなという感じはしている。ただ、大型店は積極的だ。商店街の個店の場合だ。

【副市長】

今の商店街の方々をどう巻き込むかについては、本当におっしゃる通りで、そこの頑張りが今回非常に重要だと思っている。前回と少し周辺状況として違うのは、1つにはこの商店街の衰退が進み、全体的な危機感が前回よりも強くなっている。またおそらく一番大きいのは周辺にショッピングセンターが3つできる、なかんずく昭和に大きいものができ、それについては今県の方で、特に知事が先頭に立ち、非常に努力しておられる。甲府の中心商店街との関係が非常にそこで議論になっている。相当そういう意味でも頑張らざるを得ないということはおそらく多くの商店街の方々はひしひしと感じていると思う。

この委員会の場、協議会の場とは別に、私共からもそういう危機感はなるべく伝え、この委員会の活動、協議会の活動を伝えなければいけないと思い、商工会議所にも骨を折ってもらって、今まで2度ほど個別の商店街の方々に集まってもらい、状況を説明し、がんばっていこうという話をした。特に今、それぞれの商店街、この中心商店街の方々はすべての個別の街の方々に出てもらい、皆さんで話し合ってアイデアを出して欲しいというお願いを現在している。次回の集まりが2週間後くらいにある。それまでの間に持ち寄ることになっている。それでうまくいくかどうかは、これから話し合いをしていくということだろうと思うが、そこの頑張り方が非常に大事だ。委員会あるいは協議会でアイデアを作って「これをやるから協力してください」というのではおそらくダメだ。むしろ商店街からこういうことをしたいから計画に書けといってくる、協議会で議論してくれと言ってくるようでなければダメだと私は思っている。今、そういう働きかけを別途している。そちらの動きももう少し形が整ってきたら委員会で報告をさせてもらいたいと思っている。

【D委員】

いろいろ意見が出たように、(1)のまちづくり会社が成功・失敗を分ける大事な問題であるため、どうあるべきかという基本原則を忘れないでほしい。中小企業政策の基本原則は基本法の前文に書いてあるように自助努力の助長ということだ。あくまでも事業をする中小企業者が自分で成長、発展しようとする。時代に合うように自分を大いに繁栄させようとする。そういう努力をする者に対して支援をする。助長してあげる。これが原則であって、それを忘れて外から「お前、こうやりなさい」と言って無理矢理馬に水を飲ませるまねをしても成功しなかったというのは、今までの中小企業政策の長い歴史の反省だ。これを忘れないでほしい。この会社が株式会社で、中心になる人が公的機関の方々であるとなると、果たして実効ある企画ができるのだろうかと非常に危ぶまれる。この点は十分考えてもらっているとは思うが。

先ほど私が話したのは、(1)については今、皆さんから話が出たが、それを(2)以下の具体的な事業の話だ。例えば(2)のイベント事業とか、こういうものは一体どういう組織で誰がやるのか。それを明確にしておかないと誰もやらないのではないか。

【商工会議所】

それは商工会議所がやる。

【D委員】

会議所がやることこそ、このまちづくり会社のハード・ソフト事業の限界だろうと思う。

【商工会議所】

このまちづくり会社と一緒になって、先ほども説明したようにまちづくり会社ならびに商工会議所がやっていく事業だ。

【D委員】

こういう具体的な事業の展開になっては、当然、実際に事業を行っている中心商店街の有力な事業者たちを主役にして動いてもらい、それを手伝うという格好にしなければ果たして意味があるものができるのだろうかという心配がある。

【商工会議所】

裏を返すと商工会議所は中心商店街の方々と一緒になってやっている事業主団体だ。商店街の方々と一緒になってこういう事業をやっているということだから、あくまで公的な部分もあるが、イベントなどは中心となってやってもらうのは地域の商店街の方々でそれを支えて実施しているのが商工会議所ということで理解いただきたい。

【D委員】

そういう世話役として機能していると理解していいのか。

【商工会議所】

世話役というか、一緒になって事業を進めているということで考えている。

【D委員】

現状を離れた企画をしては必ず失敗する。これは私の長い経験ではっきり言える。

【委員長】

商工会議所からソフト事業の提案ということがあったが、そういうことを含め、交通部会の皆さんも先ほど商工会議所から話があったように、交通部会がどのようなことを話し合いにしているかも含めてぜひ次の部会で検討していただきたいと思っている。できたら、商工会議所がこのようにソフト事業のあるような形にできるだけ文章化する方式を取ってもらうとやりやすいと申し上げさせていただきたい。

続いて、手元に資料を配布してある「甲府市中心市街地活性化に関する市民アンケート調査報告書」について事務局から説明してもらう。

事務局より「甲府市中心市街地活性化に関する市民アンケート調査報告書」について説明を行った。

【事務局】

クロス集計については、集計結果をできれば次回に示したい。

【委員長】

大変なボリュームであるため、後でじっくり読んでほしい。

【D委員】

サンプル数が2060とあるが、この抽出方法は何か。また、これは甲府市内の一般世帯を対象にしたものか。

【事務局】

調査票も添付している。ここにあるとおり、総数としては2000余の方々を住民基本台帳から無作為抽出した。それも各町別に人口割にふさわしいように、コンピューターにより抽出した。年齢、性別が平均化させるように抽出したものだ。

【D委員】

回答者は誰になっているのか。世帯主とか。

【事務局】

そうではなく、住民登録している人、20歳以上全て。

【委員】

無作為抽出か。

【事務局】

無作為抽出である。

【委員長】
では、アンケートについてはじっくり見て、ヒントを探し出してほしい。

今日の議題は以上だが、部会の日程は、都市計画部会は8月24日(金)14:30から県立大学B棟3階の教室で実施する。続いて交通部会も同じ日の16:30分から、同じ教室で開催する。商業部会は30日(木)、よつびし総研で14:00から開催する。次回の委員会の開催について事務局からお願いする。

【事務局】

原則毎月第4火曜日ということになっている。9月については、議会があるため通常どおり第4火曜日で、第1案としては9月25日(火)の15:00からを考えている。25日に都合がつかない人が多い場合は、26日(水)15:00にすることで御了承いただきたい。

【委員長】

26日(水)にしてもらいたいがいかがか。では26日(水)15:00でお願いする。場所は追って連絡がする。

【H委員】

今年、まちづくり三法が施行になるが、まちづくり三法には抜け道があり、1万m2以下のショッピングセンターについては自由に行政も歯止めをかけないということがある。今、各地方で一番問題になっているのは郊外へ1万m2くらいの店がどんどん出ていることだ。大手のチェーンストアは今その研究をしている状況で、いくつか郊外へ1万m2以下の店をつくろうということでフォーマットもできている。

ということは例えば10店舗1万m2の店が出れば10万m2という規模になる。今、昭和町の大規模集客施設の話で、県からの指導がいっているが、3万m2くらいで出るのかという感じもしているが、逆に言うと一度に1万m2以下のものが10出て10万m2の規模で郊外へ流通が移動することが懸念される。また一方で、まちづくり三法のもう1つの盲点(ということはないが)、今の既存の店は、土地さえあれば、このままだと狭すぎてやれないから撤退するという脅かしを行政にかけてどんどん大きな店を作っていくという状況だ。

ということはますます郊外の店が出るとこのまちの中心街がどうしても遅れてしまう。私共も中心市街地の人たちと協力していろいろなことを考えてショッピングセンター対策、また、対策だけでなく、皆でまちづくりのプロジェクトというか、きちんとした役付け者を決めてやっていくような形で進めている。

今、特に紅梅地区の開発が見えてきたため、まずそこからまちづくりの中心になるところから手をつけ、どうしても商業地区が二極化しているため、駅周辺と街の中心商店街の二極をうまく結びつけたい。それにはちょうど紅梅地区の活性化があるため、それに向けて駐車場、私共は東側に大きな土地を持っているので、そこを活用してもらうこと、これは交通部会に絡む。

また、都市計画部会では、北口のいろいろな事業から舞鶴城を通って中心市街地へ行く今の既存の駅から中心街まで行く道に新しい道筋が何かないかを考えている。紅梅地区の開発が今、進んでいるため、これが22年の秋、これまでには相当の時間があるわけで、その間にどんどん郊外店が出店、あるいは増築ということでますます中心市街地が2年間、3年間でもっと寂れる状況も懸念される。

とにかくスピードを持って、何か1つ大きな核の事業があればそれをどんどん行政と協力いただき、商工会議所も協力をいただき、我々も皆と手を結んで早くやることが必要。あまりいろいろなことを考えていると事が進まない感じもする。我々も全身全力で大型店協議会もあるし、皆で息を合わせてやっていきたいと思うので、よろしくお願いしたい。

【I委員】

何かたくさん資料もあり、いろいろな話に感動するというか、血となり肉となるような話ばかりで、頭が今、飽和状態のような感じだ。取りあえず24日の交通部会、また25日の公募の皆さんの意見等を聞くのを楽しみにしながら自分なりに何か考えていきたいと思う。甲府市もこのようなことをする中で、変わりつつあるように思う。

銀座の非常に今川焼きが美味しい店がある。先日そこに20~30人、列で並んでいてびっくりした。また、お寿司なども東京の親戚に言わせると「おむすびみたいに大きなお寿司だね」という味のある寿司屋もある。そういうものを大切にしながら北口の開発、図書館がどうなるかとか、また新聞によると甲府市の庁舎も新しくなるとか、そういうことがどんどん決まってくる。そのようなことを考慮に入れながら拠点作りを中心にぜひ甲府市が活性化するような良い案が出ることを期待してがんばりたいと思う。よろしくお願いする。

【J委員】

今日はたくさんの意見があり頭の中が混乱しているため、はっきりしたことは言えないが、委員長からコンセプトについて早めに具体的に決定し、予算も、という話しが出た。もう少し早めにそういうことを決めていかないと、何のためにこの委員会を開いているのかということが明確に分からなくなってしまうのではないかと思うため、そういうコンセプトを共有し、早めにいろいろなことを決めていくべきではないかと思う。

【事務局】

甲府市都市圏のパーソントリップ調査の結果が出た。山梨県で製作したものだが、貴重なデータであるため参照してもらいたい。43000人の協力をいただいた調査の結果を集約している。ご覧になっていただきたい。

【B委員】

そろそろ8月も終わりで9月に入って、最終的なまとめにかかる時期に入ってきたと思う。今後の数回の部会、委員会で皆さんと納得できる計画をつくりたいと思っている。

【C委員】

今日も新聞に大々的に報じられていたが、市役所を現在地での建て替えという方向性が出つつあるということだ。それに絡み、私は常々中心市街地の機能として、商業、居住、業務、これらが結びついて交流を何とか連携をとっていければいいと思う。商業というのはそこに住んでいるかどうかは別にして、そこで商売をしている。業務というのは、行政も含めたいろいろな公共機関、サービスを提供するという部分でまさに市街地の一番重要な機能だと思う。あと居住という部分。これら3つを交流させていくという部分で、今後、市役所というものが非常に重要な役割が出てくるのではないかということを感じている。

今日の新聞によると、市民アンケートの中にも利便性という部分が一番多かったし、今日も市街地活性化調査報告書にも平日はやはり市役所に来る人が一番多かった。平日の平均来庁者がどのくらいかというデータ等を、次回事務局で用意できればありがたい。やはり業務という行政の機能だけではなく、中心市街地の中で核になるようなコンセプトを持ちながらぜひ整備していっていただきたい。これは単なるアイデアで今思いついたのだが、ここに隣接する紅梅の再開発ビルは東側の至近距離にある。例えばそのビルと市の庁舎を結ぶ何かをほしいという気もする。それが地下道なのか空中の回廊なのかは分からないが、青写真というか、アイデアとして今日の段階では話をしておきたい。

もう少しいろいろな資料が出てきた段階で意見も皆さんから出てくる気がするため、ぜひ中心市街地にある市役所の機能だけでなく、交流の拠点というコンセプトを持ちながら、今後も、コンセプトや機能や規模、財源も決まってくると思うが、今までになかった市役所という部分での機能発揮という部分は中心市街地の核になる施設だというのが今回の問題の一番大きいポイントだと思う。今までは役所としての機能だけで論じられることが多かったわけだが、他の甲府以外の町や市ではそういうことは県内ではありえないという気がしている。その意味で、甲府市役所が果たす役割は非常に大きいと感じている。

【事務局】

今週の土曜日8月25日(土)10時から中央公民館大ホールでワークショップ形式の中心市街地を語る会を開催する。4班に分かれていただき、自由に意見を述べてもらう。30人を超える参加者が集まった。委員の方からも2人、参加者として申し込んでもらった。そのほかの委員の皆様もオブザーバーとして話を聞いていただきたい。市民アンケートとあわせて、市民の声を聞いていきたいとい。

【E委員】

今日、皆さんのそれぞれの3つの部会の報告を聞いているとどうも方向性が見えてきている。共通していることもかなりたくさんある。先ほどの委員長の提案のとおり、この辺りで3つの部会の刷り合わせをした方がよいのではないかと思う。この後、日程等を決めさせていただいてやらせてもらえればと思う。

【委員長】
部会長さんには残っていただきたい。ということで、新しい提案を皆さんにしていきたいと思う。それでは今日はこれで散会にする。